2009-01-01から1年間の記事一覧

ブラキャミ・ハルキ

(この初夏の大流行を一言で表してみました) (ついでに「太宰治」でも何かできないかなと思ったけど、思いつきませんでした) ・ ところで内田樹先生によれば、村上春樹が人の心をつかむのは「料理とお掃除」が書き込まれているからだという。 私は近年(9…

サルコジ、マルチニックの自治を提案

先週半ば、サルコジ大統領がアンティユ諸島(マルチニック、グアドループ)を2日間にわたり訪問。 その折り、マルチニックの自治を問うレフェランダム(国民投票)を提案した。 演説中大統領は、これは自治(autonomie)の提案であり、独立(independance)はあ…

マイケルとファラ

マイケル・ジャクソンが心臓発作で死去(享年50歳)、その大報道の影でファラ・フォーセットが癌死(享年62歳)。 ・ この20年あまり、どう見ても心身ともに崩壊に向かっていたマイケルが長生きするようには思えなかったので、衝撃とは感じなかった。 …

シモーヌ・シュヴァルツ=バルト「鍋の底から」(norah-m訳)2

私の祖父はまったく凡庸な人物であり、彼の一日はグアドループの多くの善男善女と変わらぬものだった。マンジェの行為は、祖父にとっては、科学的なところなどみじんもない。それは自然からほんの少々借用するということで、彼はそのことを完全にわかってい…

シモーヌ・シュヴァルツ=バルト「鍋の底から」(norah-m訳)

料理とは文明の一種であるらしい。個人的にいえば、わたしは鍋の底から民衆の魂が立ちのぼってゆくようなこの考えがけっこう気に入っている。しかしわたしと料理のつき合い方はもっとつつましくて哲学などとは関係なく、正直ガストロノミーなどでもない。わ…

村木厚子局長

報道を見聞きするかぎり、野党議員がらみの「政治案件」として件の団体に障害者割引制度の認可を指示したのは明らかであるようだが、否認しつづけるのはどういう心理・意図なのだろう。 つい気になって注目してしまう。 ・ この人は、例の「郵政民営化、賛成…

藪からメールを送らないで

一度も会ったことはないが授業をとっていることになっている学生から突然にメールが届く。 文節ごとに漢字と助詞と選ぶべき文体のまちがいがあり、お願いごとの内容にも呆れはてるばかりだが、とりあえず文意はおおむね理解できた。 ただ頭のほうの一文だけ…

ぼんじり

ぼんじり(焼き鳥の)の映像ばかりが頭に浮かぶのは、ここのところ尻に火がついているという気持ちだから。 ぼんじりみたいに火に炙られて、じゅうじゅう脂肪が落ちたらいいのに。 「ぼんじり」なんて名、どうせ「ボンっとした尻」とか「bone尻」とかそんな…

木曜日のラリー

木曜日は自分にとっては相当に目まぐるしい一日なので、通過地点ごとにポイントをもうけてひとりラリーとしている。 7時前に家を出て一日を過ごした後、直帰する場合は帰宅時が21ポイントとなる。 研究会その他の寄り道が加わるとさらに増え、今日は27ポイン…

Jacques Sarasin, On the Rumba River(2007)

2008年に亡くなったルンバ・コンゴレーズの父、ウェンド・コロソイ(パパ・ウェンド)を中心に、その仲間たちとの音楽に焦点をあてた映画。 世界の隅々にはいい音楽が溢れているし、いい映画の題材が溢れているものだと思う。 ・ アフリカでは音楽家はしばし…

カナブンのいる家

うちの居間では、ここ数週間で立て続けに3匹ぐらいカナブンが羽化した。 突然羽音がしてどこからか登場し、照明に突進してぶつかり、また次の照明にぶつかり、電気を消すとテレビ画面にぶつかり、次にはパソコン画面にぶつかり、こちらは家の消費電力を実感…

京都教育大学集団暴行事件

虫酸が走るような学長の会見。 しかし社会的な立場で性的な問題(レイプとまでいわずとも学内セクハラや痴漢行為など)を話題にするとき、「あんな風に冤罪に遭ったらどうしよう」「誤解されたらたまらない」「何らかの策略で自分も犯人に仕立て上げられてし…

ハーンと八雲

私は群れだ!――――ラフカディオ・ハーン (鴻巣友季子さんによる宇野邦一先生の新刊『ハーンと八雲』の書評より) ・ 「私は群れ」とは、「現在のあらゆる生は、過去の無数の生の記憶を自分の中に含む」という意味だという。 群れになるな、独りであれ!の言…

ハイチとミクロネシア

「太平洋・島サミット」開催と、ビル・クリントン元米大統領がハイチ特使に任命の記事が同日の新聞に。 ・ 興味ある地域のニュースだとつい細かく目を留めてしまい、何やらパラレルにとらえられる記事ふたつだなと思ったが、そうか、クリントンはアメリカの…

経験と言語能力

ミルキィ・イソベさんと藤部明子さんのトークを聴きに行く。 ミルキィさんといえば、私にとっては数々の文芸書の装画(あのひそかに光った水色やピンクや赤の)でおなじみのデザイナー。 その話は予想以上に刺激的だった。 ・ 写真集を見るとき、展示を見る…

コミュニケーション論I

今年から理系の大学生に、日本語でのプレゼンテーション技術を教えている。 要するに大学生として、さらには社会人として最低限必要な読み書きの能力、そしてコミュニケーション能力を身につけさせるというもの。 ・ これらの技能を必要とする学生が多いのは…

ラ・ミシン

本当はコマバにひとり芝居を観に行くつもりだったのに、夜になってから思い出した。 芝居に行くつもりなのを忘れて鍼に行くつもりになっていたがそれも忘れて映画を観に行くつもりが気づいたら時間が過ぎていた。 午前中に数年来放置していたミシンのメンテ…

ファッキンロマンスカー

仕事帰り、電車の座席にくつろいで座っていると、後部席のアメリカ人ふたりの会話にやたらと「ファッキン」が混じるのが気になる。 30代ぐらいの見栄えは普通の外国人でビジネスの話題のようだが、どちらの発話にも10語に1語ぐらいの頻度でその表現が。 「…

追悼・忌野清志郎さん

昨夜は忌野清志郎の追悼番組を見る。 特に好きだとかファンだとか意識したことはなかったけれど、物心ついた1975、6年頃からずっと知っていた。 じっさい、歌を聞けばどれも懐かしくなじみがあるし、古い映像を見れば「そうだ、そうだ、この頃の清志郎はこん…

ボルドーで奴隷制廃止記念日

最近、フランスのメディアでもあまり報道されなくなったが、昨日5月10日は奴隷制廃止を記念する日だった。 今年の公式行事はパリではなく、奴隷貿易第2の拠点ボルドーで(最大の貿易港はナント)。 アリオ・マリ内相、アラン・ジュペ・ボルドー市長、イヴ・…

シンクロ・ジャパンオープン

ここ数年、日本のシンクロ水泳には特段の興味をひく何事もなかったが、ソリストとして出てきた新人、安達夢実の素材には輝きを感じる。 身長159センチという小柄にしてこのダイナミックさ、この表現力。 フリールーティンの「オーメン」には身の毛がよだって…

地獄のSefyu

ラップとかヒップホップって、音楽的興味というより、歌手の出自とか歌詞への「知的」関心だけで聞いてしまう傾向があって、だからそれなりの雰囲気と形式だけでやっているグループだとすぐ飽きるし、もともとこちらは暴力的だからってむやみに喜んだりはし…

巨大蜘蛛、荒天にて停止

フランス・ナントの巨大機械制作集団ラ・マシンの蜘蛛を見たいと思い、雨の中「横浜開国博Y150」へ。 雨でもたぶんショーは決行でしょうとスタッフがいうので時間まで何十分も蜘蛛のそばに張りついていたが、雨はどんどん強くなり、結局ショーは中止となる…

ハイチとミクロネシア

「太平洋・島サミット」開催と、ビル・クリントン元米大統領がハイチ特使に任命の記事が同日の新聞に。 ・ 興味ある地域のニュースだとつい細かく目を留めてしまい、何やらパラレルにとらえられる記事ふたつだなと思ったが、そうか、クリントンはアメリカの…

ささやかな雑感

パスモなど使い続けることは、実はすべての行動を把握されてしまうことにつながるんじゃないかと危惧したりもするのだが、今日はうっかりパスモを忘れたせいで、日中10回も切符を買うという超面倒な破目になる。 東京メトロ→JR→私鉄A→私鉄A→私鉄B→私鉄…

Kréyol Factory 開催中

今月7日から7月9日まで、パリのヴィレット公園にて「クレヨル・ファクトリー」が開催されている。 クレオールの作家たち60人ほどが参加するアート・プロジェクトで、内容も美術やダンスなどいろいろあるようだ。 http://www.kreyolfactory.com/expositions/i…

シモーヌ・シュヴァルツ=バールですか?

今出ている雑誌『ふらんす』に、恒川邦夫先生がグアドループについての記事を書いていらっしゃる。 地理・気候的なことから奴隷制の歴史、最新のストライキの状況までコンパクトにまとめられた紹介記事なので、ご存じない方は読んでみることをお勧めします。…

アイデンティティーとは

ポール・リクールの「なるほど」と思える言葉(『記憶・歴史・忘却』より)。 「それ自身と同一で、他のものではない」という表現によって形式的に排除された多様性は、場所と時間を経由し、保持する多様性として記憶力にさし出され、記憶力はそれらの場所と…

メモの整理

書類が溢れかえって、いちいち作業をさまたげるので少し整理。 わけのわからぬ切り抜きなどは、ここにまとめておきましょう(その価値があるかは疑問だけれど)。 ・ 一つ目 東方のウラル語族であるフィンランド語は、日本語と発音が似ていて、自然、同音異…

日本のグルノーブル

多摩川というのは荒川育ちの自分にとってはインテリの川、育ちのいい川というイメージで、渡るたびに「はー」という憧れの思いとともに目をやる習慣なのだが、相模川まで越えると神奈川県もそのイメージをがらりと変える。 駅からの風景はお洒落な神奈川とい…