短期連載

シモーヌ・シュヴァルツ=バルト「鍋の底から」(norah-m訳)2

私の祖父はまったく凡庸な人物であり、彼の一日はグアドループの多くの善男善女と変わらぬものだった。マンジェの行為は、祖父にとっては、科学的なところなどみじんもない。それは自然からほんの少々借用するということで、彼はそのことを完全にわかってい…

シモーヌ・シュヴァルツ=バルト「鍋の底から」(norah-m訳)

料理とは文明の一種であるらしい。個人的にいえば、わたしは鍋の底から民衆の魂が立ちのぼってゆくようなこの考えがけっこう気に入っている。しかしわたしと料理のつき合い方はもっとつつましくて哲学などとは関係なく、正直ガストロノミーなどでもない。わ…