カリブ

世界で一番人口密度の高い、イスロテ島

年末年始に見たテレビ番組のなかで面白かったのが、カリブ海に浮かぶ小島、イスロテ島(コロンビア)のドキュメンタリー(NHK-BS)。 わずか1001000平方メートルしかない島の上に100世帯ほど、1200人が暮らしている。 したがって島の地面のほとんどが人家で…

ついに結合、フィギュア×クレオール フィギュアスケートNHK杯男子フリー

今シーズン高橋大輔が演じるフリープログラム、「ブルース・フォー・クルーク」がこれまでで1,2を争うぐらい好きだ。 さっそくアイポッドに曲を入れて楽しみたいと思うも、検索しても出てこない。 どうやらSang Mêléというアルバムに入っているらしいが、…

ダニー・ラフェリエール@日仏学院

昨日はダニー・ラフェリエールの講演会へ。 邦訳『帰還の謎』と『ハイチ震災日記』の同時刊行を記念しての来日(それともその逆だったか)。 書いたものとしては『震災日記』の原書、Tout bouge autour de moiを読んだことがあるのみですが、話はユーモアた…

ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』

ずっと読みたくて時間がなくて、ようやく読めて、一気に読んで感動。 パトリック・シャモワゾーの『テキサコ』に影響を受けて、その挙句にこんなカリブ海文学も出てくるんだ、ありうるんだと思うとうれしい。 ・ 主人公オスカーは合衆国のドミニカ移民で大デ…

カリコム、放射性核廃棄物の日本への移送に抗議

しばらく新聞を読めずにためていたら、一週間ほど前の記事に日本のメディアとしては珍しくカリコム(カリブ海共同体)の話題を発見。 詳細を知るため、久しぶりにウェブサイトをチェックする。 http://www.caricom.org/jsp/pressreleases/press_releases_201…

グリッサンの「関係」そして「全-世界」とは

なでしこジャパン対アメリカとか、なでしこジャパン対ドイツとかいうことではない。 澤がここで蹴ったボールに、モーガンやワンバックのすごいスピードの攻撃、鮫島・岩清水・宮間らとの有機的連係、対ドイツ戦、ワシントン・フリーダムでのワンバックと澤、…

『パイレーツ・オブ・カリビアン』とティム・パワーズ『幻影の航海』

カリブ海研究者の風上にもおけないと言われそうだが、『パイレーツ・オブ・カリビアン――生命の泉――』を劇場で観る。 映画としての評価はさておき、ジョニー・デップの動きや声を大画面で観賞できて満足だ。 ・ 今回の作は、ヴードゥーの世界とヨーロッパの聖…

『すばる』6月号

遅ればせながら、6月号の『すばる』を読む。 パトリック・シャモワゾーによるエドゥアール・グリッサン追悼文翻訳・ていねいな解題つきと、新連載・今福龍太「ジェロニモたちの方舟」がたがいに呼応しているようで、カリブ海に興味のある人は必読。 ジャズ・…

ハイチ大統領の音楽

あまり注目されていないが、コンパのミュージシャン、「スウィートミッキー」ことミシェル・マルテリーが先月ハイチ大統領に当選した。 人気歌手というふれこみのわりに、ほんの最近までアマゾンで検索しても共演者として参加しているワイクリフ・ジョンのア…

映画の会

今日の映画の会は私がモデレーターにつき、カリブ海地域、特にフランス語圏をめぐる作品をいくつか用意しました。 1、ロバート・フラハティRobert Flahertyの『ルイジアナ物語』Louisiana Story(1948,U.S.A) 2、マヤ・デレンMaya Derenの『神聖騎士』Divin…

マルチニック、ディアマン

2月3日、鬼子母神で播かれた福豆を食べながら、グリッサンを偲んで。

アニエス×グリッサン

アニエスbがグリッサンへのオマージュとして、2003年のベネツィア・ビエンナーレの折り、撮影したビデオを再公開しています。 http://europe.agnesb.com/en/bside/section/about-agnes/from-the-beginning/edouard-glissant-disappeared-today-february-3rd-…

訃報:エドゥアール・グリッサン

本日午前5時45分(日本時間午後2時45分)、パリ15区の病院で死去。 享年82歳。 ・ 知人からの速報で知りましたが、まだフランスの大メディアには出ていないようです。 ツイッターにはいくつかフランス語とスペイン語で書きこみがありました。 (ので、私も日…

ベビドックがどのツラ下げて!?

20世紀後半のハイチにおいて、父を継いで二代にわたり独裁政治を続けた後、フランスに亡命していた「ベビー・ドック」こと、ジャン=クロード・デュバリエ元大統領が25年ぶりにハイチの土を踏んだ。 秘密警察トントン・マクートを指揮し、反乱分子どころか手…

ハイチ・アート展

今日と明日の二日間だけだそうですが、大地震一周年ということでイベントがあるようです。 ・ 2011年1月11日(火)12:00〜16:30pm、12日(水) 9:30〜16:00pm 開催場所 憲政記念館 丸ノ内線・千代田線 国会議事堂前駅下車 2番出口から徒歩7分 有楽町線・半蔵…

イベント:クレオールの響き

イベントのお知らせです。■12/23(木・祝) 今福龍太LaKouZumi#2 群島 - 世界論 / カリブ音響篇 「クレオールの響き、あるいは高度必需」 (もっとも詩的なもの)出演:今福龍太(人類学・批評家)× 星埜守之(カリブ海圏フランス語文学)音=声による出演: マ…

ハイチでコレラ蔓延

今年1月、大地震に見舞われたハイチで、不衛生な水を媒介にコレラが広がり、これまでに118人が死亡、1000人以上が感染している。 首都ポルトープランスでは、地震以降、9か月以上にわたりキャンプ生活をする人々が100万人以上にのぼるとされている。 RFI(ラ…

気になるできごと、いくつか

今週になり、ジャマイカで軍と反政府派が衝突。 混乱の中、死傷者も出始めた。 きっかけは麻薬売人Christopher'Dudus'Cokeをアメリカ合衆国に引き渡すための逮捕状が出されたこと。 コークは昨年、アメリカ司法省により麻薬密売のかどで起訴されているが、当…

『すばる』のハイチ文学記事

1月に起きたハイチ地震にからめて、恒川邦夫先生が12ページほどの記事を書かれている。 地震後にフランケチエンヌと恒川先生が交わしたメール、ダニー・ラフェリエールのコメントなど、ハイチ文学界の現在だけでなく、ジャン・プリス=マルス(と私は思って…

アビタシオン・クレマンの画集

マルチニックはアーティストの宝庫。 本屋では、地元画家による抽象美術の画集を多数見かける。 写真はフォール=ド=フランスの中心街にあるリブレリー・アンティエーズの売り場だが、空港の本屋にまでずらり。 出版元はいずれも「アビタシオン・クレマン」…

ペドロ・ルイス『ゆらゆらと漂流するプティゴアーヴの子供』(2009)

日曜日、フランコフォニー・フェスティバル会場の日仏学院に、作家ダニー・ラフェリエールに焦点を当てたドキュメンタリーを見に行く。 ダニー・ラフェリエールはハイチのポルトープランス生まれで青年期にケベックに移住したフランス語作家。 もともとジャ…

Jacques Schwarz-Bart, Soné Ka-La(2007)

グアドループ出身NY在住のジャズ・ミュージシャン、サクソフォーン奏者、ジャック・シュヴァルツ=バルト。 前から存在は知っていて、聴いてみたいと思っていた。 ・ ある時、地球の表と裏(裏と表)にふたりの一歳違いの妊婦がいた。 一方は日本の東京に、…

La priyé pou Ayiti

自分の家に帰ると届いているアマゾンの箱や袋をびりびりと開け、またせっせと注文し、ipodに何か入れ、日中は遠くまで出かけて行くという日々をくり返していた。 こうして結局、自分も世界のモノポリー状態に貢献してしまっているのだ。 でもこの、忙しい日…

マルチニックの行き方

日本からマルチニックへ行くのにもっとも一般的なのは、パリまで行き、そこから直行便(現地まで8時間強)に乗るルートです。 早朝シャルル・ド・ゴール空港に着き、陸路国内線のオルリー空港まで移動して昼前〜午後発の便に乗る。 これが現地以外で一泊せ…

ヴードゥー教と千羽鶴

ハイチの被災者に千羽鶴を送ろうと呼びかけた女性がネット上で攻撃されているとの記事を読んだ。 「食糧が足りない時に折りヅルを送っている場合か」という批判にはとりあえず「なるほど」と思うものの、「ハイチ人の信仰するヴードゥー教では鶴は『悪魔の使…

Saving Haiti

フランスのテレビ番組は見られないので今どんな状況かわからないけれど、CNNではSaving Haitiという番組を長時間四六時中流している。 昨日は例のブック・フェスティバルの主催者だったリオネル・トルイヨがインタビューを受けていた他、崩壊した大聖堂の下…

ハイチでまたM6,1の地震

20日現地午前6時過ぎ、再びハイチで地震。 震源はポルトー・プランスの西南60キロ付近。 ・ 18日付朝日新聞によれば、セネガルのワッド大統領は、ハイチからの移住希望者に土地を無償提供すると発表した。 「ハイチの人々はアフリカの息子であり、娘だ。本来…

ハイチ地震

茫然とし、自分の無力を感じるしかないハイチの地震。 今週、国際的な本と映画のフェスティバル、Etonnants Voyageursが開催予定で、何人もの招待作家が現地入りしていたことを知人からの情報で知る。 http://www.etonnants-voyageurs.com/spip.php?rubrique…

エドワード・カマウ・ブラスウェイト

ある本を読んでいたら、前からどこからの引用なのかと疑問に思っていたフレーズ、「統一は海底にある」The unity is submarineを偶然に見つけた! エドゥアール・グリッサンがブラスウェイトの言葉として何度も何度も使い、さらに多くの人に孫引きされ、シン…

マルチニックの少年からのメッセージ

ミクシィというのは基本的には若者向けという気がするし(たぶん)、どちらを向いてどう接していいのかわからないので、ほとんど活用していないのだが、突然東京に住むマルチニック人の男の子からメッセージとマイミク・リクエストが届いて驚いた。 初めは誰…