2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ウスマン・センベーヌ『モーラーデ』(フランス・セネガル合作、2004年)

東京国際女性映画祭にて上映。セネガルのイスラム系部族に残る女子割礼(陰核切除)をテーマとしている。 6歳から8歳ぐらいとおぼしき女の子たち4人がコレの家に逃げてくる。陰核切除の手術をいやがったため。女の子たちは集団で切除をほどこす赤い衣の女たち…

無意志的記憶

仕事とはいえ、プルーストを読み続けるのがつらい。なぜ自分が専門を大きく方向転換したのか、改めてよくわかる。「わたし」はあまりに自分と似すぎている。 胸が痛い、喉がつまって泣きそうだと思いながら読んでいたら地震。激しく動揺し、その瞬間、過去が…

靖国参拝

小泉首相の靖国神社参拝。外交問題はさておくとして、靖国神社にお参りして「不戦の決意」を新たにするというのは、まったくもって理屈に合わない。靖国神社は先の戦争での日本の敗北を受け容れておらず、東京裁判は誤りだという立場を取る神社である。また…

久しぶりの発熱。雨でもあり迷ったが、髪型が限界だったため無理をして美容院に行く。思った通り、悪化するどころかむしろ気分は向上した。青山の美容院を出たところでまた地震。熱が出たままここから家まで歩くのはつらいなあと思ったが、地下鉄はすぐに動…

出身地

ずっと前から知り合いの編集者と話していて、お互い同じ都営団地の出身と初めて知る。そしてお互いこんな世界にいるのにあんなところの出の人がいたなんて、と驚き合う。東京の山の手にも下町にも地方にもないあの廃墟のような町に、今ではわたしは魅力を感…

心の負担

昨日、内輪の雑誌用の創作をひとまず終える。結構心の負担だった。少しすっとしたが、いろいろ迫り来るものが多く、ヤキがまわっている感じ。年齢やキャリアに比べて教養がなさすぎる。読んでも読んでも追いつかないし、読んだものすら忘れてしまう。プルー…

牡蠣とナイアガラ

去年三回食べて、三回とも激しい胃痛をおこしてしまった牡蠣を今年初めて食べたら、またしても気持ち悪くなり、作業のペースが乱れてしまった。左胸のリンパ腺もずきずき痛い。 三日ぐらい前は異様なほど体調がよかった。栃木県の小さなワイナリー、渡邊のワ…

阿部和重「課長 島雅彦」『新潮』11月号

痛快のひと言。余裕のある場所からの無責任なおもねりは、理解を装っても当事者には敏感に感じ取られるものだ。阿部和重は芥川賞を取ってなお、マイナーであることの実感を苦しんでいるかに見える。 この作家の、自分の男の子っぽさとの折り合いのつけ方も好…

フロイトの『精神分析入門』を立ち読みしていて、思わず泣いてしまう。感動したわけじゃなく悔し泣き。思い込みでテキトーなこと書きやがって。女は男をいつも羨ましい、自分だけ損していて理不尽だと思っていて、その嫉妬があるから不正の感覚が欠如してい…

古本

本を80冊ぐらい処分する。といってもまだ途中で、昨日につづき今日も最寄のブクオフに33冊売りに行って1030円だった。片づけるのが目的だから安くてもいいけれど、ブクオフの出現で古本市場はすっかり値崩れしたとか。何しろ新しいこと、きれいなことが価値…

工藤庸子『プルーストからコレットへ』中公新書

20世紀の文豪プルーストとレズビアンの風俗作家コレットは、実は同時代人で面識もあり、同じ世界を共有して生きていた。その結節点とは…? 第一章 出会い 『シェリ』のレアと『失われた時』のオデットは同じ裏社交界のココット。輪郭のあいまいなオデット…