無意志的記憶

仕事とはいえ、プルーストを読み続けるのがつらい。なぜ自分が専門を大きく方向転換したのか、改めてよくわかる。「わたし」はあまりに自分と似すぎている。
胸が痛い、喉がつまって泣きそうだと思いながら読んでいたら地震。激しく動揺し、その瞬間、過去がだーっと雪崩を打って襲ってきた。サンマルコ広場で敷石にけつまづいた「わたし」のようだ。
まったく関係がないが、今日の朝日新聞いとうせいこうのエッセイに膝を打つ。夏のあいだにせっせと巨大化させたバナナの冬越しは大テーマである。何かの記事によると、熱帯植物の部屋への取り込みは気温15度を目安にしたほうがいいそうだ。