靖国参拝

小泉首相靖国神社参拝。外交問題はさておくとして、靖国神社にお参りして「不戦の決意」を新たにするというのは、まったくもって理屈に合わない。靖国神社は先の戦争での日本の敗北を受け容れておらず、東京裁判は誤りだという立場を取る神社である。またここに祀られているのは「英霊」、すなわちただの死者ではなく、国のために戦をして倒れた英雄なのだ。そもそも国のためには戦をすることを正当化、というよりむしろ鼓舞しようという施設を前に、「不戦の決意」などといわれても納得のしようがないと思うのだが。
そして、これほど国家の重要問題、国家間の重要問題にかかわる行為でありながら、国の首相が「私人」としての行為だからと言い張ることが信じられない。トイレに入るな外で食事するなとは言わないが、一国の首相たるもの、内外に影響のある事柄にかんしては、常時「公人」なのだと自覚してもらいたい。「公け」であることの影響力は、どれだけ自覚してもしすぎることはないのだ。福島瑞穂のセリフを繰り返すのはいやだが、小泉首相は明らかにアジアとの関係の未来をぶち壊している。