村木厚子局長

報道を見聞きするかぎり、野党議員がらみの「政治案件」として件の団体に障害者割引制度の認可を指示したのは明らかであるようだが、否認しつづけるのはどういう心理・意図なのだろう。
つい気になって注目してしまう。

この人は、例の「郵政民営化、賛成ですか?反対ですか?」のワンフレーズ演説に多くの人が気をひかれている間にいつの間にか通過していた「障害者自立支援法」の立役者だと知る。
詳細を知るわけではないが、これにより障害者の負担がかえって重くなったとの声が多い、悪名高い法律との認識がある。
もちろん本人は悪法を作るつもりなどなく、理想に燃えて奔走したのであろうが。

1950年代半ば生まれ。高知大学を出て旧労働省に入省したキャリアウーマン。

この世代、それからもう少し下がって雇用機会均等法第一世代の女性の多くがとらわれて抜けられないのがキャリアとジェンダー問題だ。
頭の中には何をおいてもそのことがある。
(典型的なモデルは皇太子妃)
かくいう自分もその世代ゆえ気持ちはわかるが、少し離れて見てみると、男性たちはもちろんのこと、他の世代の誰からも理解もされなければ関心ももたれていない。また、性差にかんするルサンチマンが強すぎて、女性以外のマイノリティには驚くほど無神経な対応をする例などにも一度ならず遭遇したことがあり、わが身をふり返って猛省したりする。
自分も同じ状況や気分を共有しているから理解できるし、本来自由にキャリアを築けるのに好きな仕事だけやって貧乏している人々がつい「贅沢者」に見えてしまうメンタリティがあるのだが、やっぱり世代の問題などというのは尽きつめるほどのものではないと思ってもいる。

と、勝手に連想を広げたが、村木容疑者が何を思っているかなど誰にもわからない。
ただこの期におよんで否認をつづけるその態度とくり返し映し出される目の表情に、勝手に病理を読みとってしまったのであった。
築き上げたセルフイメージが破壊されることがどうしても許容できないというような…