フランス

ダニー・ラフェリエール@日仏学院

昨日はダニー・ラフェリエールの講演会へ。 邦訳『帰還の謎』と『ハイチ震災日記』の同時刊行を記念しての来日(それともその逆だったか)。 書いたものとしては『震災日記』の原書、Tout bouge autour de moiを読んだことがあるのみですが、話はユーモアた…

ルイ=ジョルジュ・タン氏講演

ルイ=ジョルジュ・タン氏のお話を聞きに行く。 少人数のこじんまりとした雰囲気の中、抽象的な理論というより、データを交えた具体的な話で面白かった。 CRAN(黒人組織代表議会)のスポークスマンであり、同性愛者解放運動の活動家であり、歴史学者でマル…

逆さ言葉さまざま

授業で『パリ20区、僕たちのクラス』Entre les mursを見せる。 20区の(原作では19区の)中学を舞台に、そこに通うアフリカ系、カリブ系、中国系など出身もさまざまな生徒たち24名を主人公にしたドキュメンタリー仕立てのフィクション映画だ。 一教師として…

アニエス×グリッサン

アニエスbがグリッサンへのオマージュとして、2003年のベネツィア・ビエンナーレの折り、撮影したビデオを再公開しています。 http://europe.agnesb.com/en/bside/section/about-agnes/from-the-beginning/edouard-glissant-disappeared-today-february-3rd-…

訃報:エドゥアール・グリッサン

本日午前5時45分(日本時間午後2時45分)、パリ15区の病院で死去。 享年82歳。 ・ 知人からの速報で知りましたが、まだフランスの大メディアには出ていないようです。 ツイッターにはいくつかフランス語とスペイン語で書きこみがありました。 (ので、私も日…

フランス語圏の映画

フランス語圏の映画の授業をやろうと思って、今あれこれ並びを考えている。 アメリカ合衆国のドキュメンタリー作家、ロバート・フラハティの1948年作品、Louisiana Story(『ルイジアナ物語』)は取り上げるつもり。 ルイジアナのバイユー岸辺に住むアカディ…

やはりドメネク

フランス代表チームがこんなにひどすぎるのはなぜかということをしばらく考えていた。 そんな時、つい自分に身近なものだから、「フランス人は」とか「カリブの人間は」とかと、個人的な体験や知識をもとにまとめてしまいそうになる。 ・ 選手ひとりずつの能…

レ・ブルー、風前のともしび

日本と違って、もう後がないサッカー・フランス代表チーム。 まるで元気はないが、カリブ代表チームみたいなものだから(という出身地主義もなんだけれど、せっかくご縁がある地域なので)応援するかと思っていたのに、フランスのメディアは今、アネルカ追放…

ペドロ・ルイス『ゆらゆらと漂流するプティゴアーヴの子供』(2009)

日曜日、フランコフォニー・フェスティバル会場の日仏学院に、作家ダニー・ラフェリエールに焦点を当てたドキュメンタリーを見に行く。 ダニー・ラフェリエールはハイチのポルトープランス生まれで青年期にケベックに移住したフランス語作家。 もともとジャ…

魔のオルリー・シュッド、極悪非道のエール・カライブ4

話が長くなりすぎたけどまとめ。 ・ ふり返って、今回の場合もっともリスクの少ない対処法はと考えると、理不尽なことを言われた時点で空港から日本大使館領事部に電話をかければよかったと思う。 temjinusさんの危惧するように、私も大使館がそこまで当てに…

魔のオルリー・シュッド、極悪非道のエール・カライブ3

11日早朝7時頃オルリーに着くと、エール・カライブのインフォメーション・カウンターにもう一度足を運ぶ。 4日に発つ時、本来払う必要もなかったホテル代、タクシー代、通信費などの賠償請求を申し出たのだが、ここでは何もできないのでクレームはすべてパリ…

魔のオルリー・シュッド、極悪非道のエール・カライブ2

チェックインの後、まずは日本の家族に電話し、日本向けのフランス外務省ウェブサイトを調べてもらったが、当然ながらそんなビザの規定についてはどこにも書かれていないという。 それからパリの日本大使館に勤める親しい友人に電話。 領事部の人に相談して…

魔のオルリー・シュッド、極悪非道のエール・カライブ

今月初め、オルリー空港で起きた最悪の事態について、同じ地域を旅行する人々への参考として、また自分の今後の対処を考える上でも、まとめておく。 ・ 3月3日早朝、成田からの夜便でシャルル・ド・ゴール空港に到着したその足で国内線のオルリー空港に向か…

石崎晴己・立花英裕編『21世紀の知識人――フランス、東アジア、そして世界』藤原書店

そういえば年末に上記のような本が出た。 2007年3月におこなわれた国際シンポジウムをもとに、新たに原稿を加えて構成されたもの。 norahも翻訳で参加していますので(本来来日予定で訳すはずだったカリブ海の作家ではないが)、見かけたらお手にとってくだ…

ダジャ単シル・ヴ・プレ

韓国語の先生に勧められてつい、上記のようなタイトルの本を買ってしまった。 副題は「フランス語だじゃれ単語集」。 あまりに下らないが、初級者が単語を覚えるにはいいかも(少なくとも私向きなので、初級者じゃなくて残念)。 たとえば次のような感じであ…

サルコジ、マルチニックの自治を提案

先週半ば、サルコジ大統領がアンティユ諸島(マルチニック、グアドループ)を2日間にわたり訪問。 その折り、マルチニックの自治を問うレフェランダム(国民投票)を提案した。 演説中大統領は、これは自治(autonomie)の提案であり、独立(independance)はあ…

ボルドーで奴隷制廃止記念日

最近、フランスのメディアでもあまり報道されなくなったが、昨日5月10日は奴隷制廃止を記念する日だった。 今年の公式行事はパリではなく、奴隷貿易第2の拠点ボルドーで(最大の貿易港はナント)。 アリオ・マリ内相、アラン・ジュペ・ボルドー市長、イヴ・…

Kréyol Factory 開催中

今月7日から7月9日まで、パリのヴィレット公園にて「クレヨル・ファクトリー」が開催されている。 クレオールの作家たち60人ほどが参加するアート・プロジェクトで、内容も美術やダンスなどいろいろあるようだ。 http://www.kreyolfactory.com/expositions/i…

グアドループで4日午後8時(日本時間の今日午前)、LKPのエリ・ドモタとグアドループ知事ニコラ・デフォルジュが署名、「通常の活動の復旧」を宣言した。つまり、一か月半におよぶストライキについに終止符が打たれたことになる(「ル・モンド」)。 この間…

マルチニックの暴動

グアドループで経営者側とLKP側に合意が生まれつつある一方、今度はマルチニックで暴動が起きた。 AFPによれば水曜から木曜にかけての夜間(日本時間26日午後)、フォール・ド・フランスでは銃で武装した若者たちにより、スポーツウエアのショップなど複数…

セゴ、グアドループ訪問+エロのココア

特に動きはないながら多く検索いただくので書いておくが、グアドループのストは一か月を超えまだ継続中。 サルコジの声明の後、LKPが態度を緩めることはなかった。 週末には元大統領候補・社会党のセゴレーヌ・ロワイヤルが島を訪問し、経営者側に200ユー…

サルコジ、グアドループについて発言

1月20日に始まった大規模ストライキから29日目にして、沈黙を守っていたサルコジ大統領が19日夕、初めてこの問題に言及。 エリゼ宮に海外県から30人の代表を迎え、グアドループ、マルチニック、ギュイアンヌ、レユニオンに対する総額5億8000万ユーロの援助を…

LKPについて

この語での検索が増えているので書いておく。 今回グアドループでのストライキで中心的役割を果たしているLKPとは、Liyannaj Kont Pwofitasyonの略。 クレオール語で、Mouvement contre l'exploitation outrancièreなどと仏訳されているが、「搾取に対抗する…

ストライキが続くグアドループで死者

島内各地で道路封鎖が続く中、この一両日放火や略奪などの暴力行為が報告されていたグアドループで、18日早朝(日本時間夕方)、運転中の50代の男性が何者かに銃弾で撃たれ死亡。男性は組合活動家でミーティングの帰路、ポワンタピートルのシャンズィ地区・…

泥沼化する事態

2月17日付「ル・モンド」によれば、グアドループではすでに最大都市ポワンタピートル近郊で、火事や若者による投石など暴力行為も報告されている。

クリスチアーヌ・トビラ議員「新たな人種断層」

グアドループでは24日間、マルチニック、ギュイアンヌでも一週間となるゼネスト。 飛行機の発着はできず、郵便業務は停止し、学校は閉鎖で子どもたちは自宅待機、わずかに営業するガソリンスタンドに長蛇の列ができている。 この間、海外県担当大臣イヴ・ジ…

奴隷制廃止160周年

一昨日5月10日は奴隷制廃止記念日というのは去年も書いたが、今年は奴隷制廃止160周年にあたる。 サルコジ大統領は、次の新年度より小学校の授業内容として奴隷制とその廃止を盛り込むと発表。 中学・高校では、エメ・セゼールの作品が扱われることになると…

ゴシップの整理

サルコジ大統領とカルラ・ブルーニ(イタリア人でフランスで活動しているのに、日本ではなぜか「カーラ・ブルーニ」)の恋人関係が報道されているけれど、結構好きな歌手で、よく授業でCDを聴かせていたりしたので「へえ」というくらいの感慨をもった。 軽く…

グロワ島嶼映画祭

ブルターニュの西側、大西洋に浮かんだグロワ島という島があり、そこで毎年8月、こんなドキュメンタリー映画祭をやっていることを知る。 http://www.filminsulaire.com/ 戦間期にパリ郊外で文学サロンを開いて「黒人世界評論」を発刊し、ラングストン・ヒュ…

奴隷制記念日

フランスのニュースといえば大統領選一色だけど、実は今日は二回目の奴隷制記念日。 マルタ島でのバカンスから戻ったサルコジ次期大統領がシラク大統領(16日まで)と同席し、リュクサンブール公園での式典に参加した。 政府関係者に加え、サッカー選手のリ…