美術

訃報さまざま

先日の針生一郎氏、荒川修作氏、そして今週の大野一雄氏(103歳)……。 前衛芸術にかかわってきた人々が立て続けに亡くなる。 ・ 後者ふたりは編集の仕事をしていた頃、わりあい近いところにいた方々。 (伝説的ダンサーの生の舞台はついぞ観たことがなかった…

アビタシオン・クレマンの画集

マルチニックはアーティストの宝庫。 本屋では、地元画家による抽象美術の画集を多数見かける。 写真はフォール=ド=フランスの中心街にあるリブレリー・アンティエーズの売り場だが、空港の本屋にまでずらり。 出版元はいずれも「アビタシオン・クレマン」…

大宮高島屋のピーター・マックス

気に入らないところばかりだった大宮の町で、数少ない愛着の対象だったのが高島屋のモザイク壁画とアンティーク・カフェの洗愁亭だった。 ここのところ毎日のようにその前を通り過ぎる壁画は、あらためて眺めてみてもやはりいい。 なぜ60年代ポップアートの…

Catharsis/Thierry Alet

マルチニックのお土産にもらったアーティストのカタログ。 ラム蒸留所のクレマンで展覧があったそうだ。 ・ グアドループ人の父とレユニオン人の母をもつティエリ・アレはニューヨーク在住の画家。 マリーズ・コンデは彼をシェイクスピアのカリバンになぞら…

ジミーちゃんとティンガティンガ

NHKハイビジョンでジミー大西がタンザニアでティンガティンガ・アートを学ぶという番組を見る。 久しぶりにジミーちゃんの絵を見たけれど、相変わらず楽しい。 お笑い芸人の中でももう致命的にアホといってよかったジミーが絵の才能をあらわしたのは、20年近…

巨大蜘蛛、荒天にて停止

フランス・ナントの巨大機械制作集団ラ・マシンの蜘蛛を見たいと思い、雨の中「横浜開国博Y150」へ。 雨でもたぶんショーは決行でしょうとスタッフがいうので時間まで何十分も蜘蛛のそばに張りついていたが、雨はどんどん強くなり、結局ショーは中止となる…

Kréyol Factory 開催中

今月7日から7月9日まで、パリのヴィレット公園にて「クレヨル・ファクトリー」が開催されている。 クレオールの作家たち60人ほどが参加するアート・プロジェクトで、内容も美術やダンスなどいろいろあるようだ。 http://www.kreyolfactory.com/expositions/i…

明日の神話

岡本太郎の『明日の神話』をついに見た。 こんなすごいものが通学路にドーンと飾ってあるなんて、なんと贅沢なことだろう。 個人的には右端にいる黄色と紫と青のモグラの化身のようなものに愛着を感じている。 ・ 同時代に作られた太陽の塔の話は前に書いた…

大槻洋介ガラス展+記憶のこと

日が暮れてから通りかかったあゆみギャラリーの庭で不思議な白い光が揺れているのに惹きつけられ、屋内の展示も見た。 このアーティストのガラス作品は前にも見たことがあるが、今回は夜闇に映えるガラスの照明シリーズ。 中でも面白いのが、紐で吊り下げら…

フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展 (国立新美術館)

アムステルダム国立美術館所蔵の絵だが、オランダには偶然の機会でもなければ行かないような気がするので(人種問題が絡んでサッカーの代表チームがいつの間にか全員白人になってしまってるなど、あまりいい印象の国ではない)、場所が嫌いな六本木なのと、…

アッサンブラージュ

知人アーティストの個展に行く。 廃材の木や機械などの部品を組み合わせた半平面作品が中心で、以前から大ファン。 素材こそ違うけれど、クルト・シュヴィッタースを思わせるくすんだ色とハードな感じがとても好きだ。 今回は、イタリアの倒産した店から譲っ…

「アドリアナ・ヴァレジョン」展、原美術館

3年ぐらい前に「ブラジル:ボディ・ノスタルジア」展を見たとき、一番強い印象を受けたのがヴァレジョン。 立体的な古い世界地図のアフリカあたりが裂けて中から臓器のようなものが飛び出ているのを部分的に縫合してあるという作品や、一見清潔なキッチンタ…

アフリカ・リミックス

昨日、駆け込みで「アフリカ・リミックス」展。玉石混交ながら、好きな作品もいっぱいあったのだが、思い返してみるとアーティスト名も作品名もろくに覚えていない。 唯一覚えているのが、ジェーン・アレクサンダー(南アフリカ)の「アフリカの冒険」で、砂…

駆け込みで「プライスコレクション・若冲と江戸絵画展」に行く。 正直いって、話題になるまで伊藤若冲なんて知らなかったのだが、江戸時代にこんな大胆な空間の捉え方や題材の選び方をしている画家がいたのは驚きだった。 狩野派とかもそうだけれど、虎を見…

千本ノック、ジェームズ・アンソール展

昨日、ついに150本目の小説を読み終える。最終日に何とか間に合ったジェームズ・アンソール展の行き帰りの道を歩きながら。若者に「千本ノックみたいですね」と言われた。「この暁にはホームランが打てますね」とも。まったく同じことを翌日、友人にも言われ…