舞台
昨日は『ペレ――ハワイの神話』(テキスト:管啓次郎、音楽:Ayuo)を見に、聴きにゆく。 ハワイの自然と神話をテーマにした詩の朗読が、弦楽四重奏、アイリッシュハープなどの一見かけ離れた楽器で奏でられる独特の音楽と結びあった、不思議なパフォーマンス…
振付家ローラン・プティが87歳で亡くなったことを知る。 『プルースト――心情の間歇』日本初演の時、インタビューさせてもらった。 どこだったか北ヨーロッパ旅行中、2週間雪に降りこめられ、その間ホテルで『失われた時を求めて』を一気に読んだことがきっか…
毎年、ハワイ島ヒロでおこなわれる世界最大のフラ・フェスティヴァル、「メリー・モナーク」本大会が日本時間の昨日から始まった。 ハワイのテレビ局、KFVEのサイトで連日生中継が見られるのがうれしい。 連日、日本時間の午後1時ぐらいから夕方までです。 h…
先日の針生一郎氏、荒川修作氏、そして今週の大野一雄氏(103歳)……。 前衛芸術にかかわってきた人々が立て続けに亡くなる。 ・ 後者ふたりは編集の仕事をしていた頃、わりあい近いところにいた方々。 (伝説的ダンサーの生の舞台はついぞ観たことがなかった…
18日、林懐民がギエムに振りつけ、カタック舞踊の踊り手アクラム・カーンとコラボする話題の作品の日本初上演を観る。 チェロやパーカッションの楽器演奏やヴォーカル、哲学的だったりコミカルだったりするセリフの入る、いかにもヨーロッパのインテリが好み…
ニューヨークのダンサー、コレオグラファー、マース・カニングハムが亡くなった。 享年90歳。 マースよりピナのほうが先に、しかも立て続けに亡くなるとは思いもしなかった。 ・ 動いて、踊っているのを現在のこととして見たことがある人がもういないという…
火・水・木の新聞は週末にまとめて読むので、不覚にも訃報を今日になって知り、愕然とする。 去年間近に見たのがつい昨日のことのようなのに… マーサ・グレアム、マース・カニングハム、大野一雄同様、百歳までも生き延びる体だと信じていた。 7年ぐらい前、…
小沼純一さんがジンガロ公演の感想を書いていらして、その臨場感にやっぱり行きたい心が芽生えてしまう。 円形の土の舞台を駆けまわる何十頭もの馬とそれを操る人々がいて、会場には獣の匂いが感じられて。 ・ バルタバスという怪しげな男率いるジンガロのす…
台湾の舞踊集団「クラウド・ゲイト・ダンスシアター」が3月4日から6日まで日本公演をおこなう。 以下、朝日新聞1月17日夕刊の記事から。 1973年、ニューヨークで修業した林懐民が台湾へ帰郷後に創設。京劇や中国の叙事詩などをとりいれた現代舞踊を上演する…
パウロ・ペデルネイラス率いるブラジル(ミナス・ジェライス州)のダンス・グループ、グルーポ・コルポの初来日公演。 いずれもブラジルを代表する音楽家、トン・ゼー/ジョゼ・ミゼル・ヴィズニック(「パラベロ」)、カエタノ・ヴェローゾ(「オンコト」)…
高さ5m幅14mの巨大な壁。舞い上がるサハラ砂漠のような赤い砂嵐。1920年代製の6台のピアノ(制作ノートより)。 ・ うーん、一番気に入ったのは、天井から赤茶色の砂がざざっ、ざざっと断続的に落ちてくるところ、かな… ・ 1989年12月初演。 天安門事件、…
ラッセル・マリファントを再発見する。 2年前、ギエムがソロで踊った「TWO」は、鋭い腕の動きと光の効果が印象的な作品だった。 前も書いたかもしれないが、20世紀初頭の舞踊家ロイ・フラーの舞台を連想させる。 (腕を上下させると光の軌跡のようなものがで…
22日、スイス・ローザンヌで振付家モーリス・ベジャールが亡くなる。80歳。 偉大だが、個人的には必ずしも入れ込んでいたコレオグラファーではなかった。 でももしかしたら、これまで見たバレエの中でもっとも多くを占めているのがベジャール作品ではないだ…
誘われ、ミーハー気分で歌舞伎座へ。 まるで詳しくないけれど、せっかくだから美しいもの見て教養でも高めましょうというスタンスだったのだが、これが思いがけず楽しかった! 歌舞伎の怪談って、あの大劇場で大勢で見て怖いはずもなかろうし、どうやって趣…
茂木健一郎の番組で吉田都を特集。 久しぶりにいいものを見た。 オーラのあるダンサーは、練習着で踊っている時、とりわけ周りから際立つ。 「学校へ行こう!MAX」に出ていたセミョーノワを見た時もそう思った。 こういうドキュメンタリー番組って、それを見…
レバノン演劇『これがぜんぶエイプリルフールだったなら、とナンシーは』(ラビア・ムルエ脚本・演出)を観る。 70年代以降のレバノン内戦下、PLO寄りや共産党系、キリスト教系など各派に身を置き、殺された者たちがそれぞれの状況をとつとつと語るという趣…
ポール・クローデルの翻訳者、注解者である作者による、「『繻子の靴』の余白に書き込まれていく詩人の深層の劇」。形式としては地謡や鼓をしたがえ、シテとワキとが登場する、一幕ものの完全な能である。内容的には、同時期に書かれたクローデルの『真昼に…
ここのところお正月かクリスマスにはローストチキンを焼いて、実家に持っていっている。例年セロリ、しいたけ、松の実などを角切りのパンと炒めて、オイスターソースで味つけし、お腹に詰めた中華風なのだが、今回は趣向を変えた中身を用意してみた。 にんに…
4年ぶりぐらいに見るギエムは、肉体的にも表現の上でも大きく変貌を遂げていた。まずはラッセル・マリファント振り付けの小品「Two」。 スポットライトのなかに浮かび上がる筋肉質の上半身。もともと筋肉のつきやすいダンサーだが、特に上腕部の盛り上がり方…