グルーポ・コルポ「パラペロ」「オンコト」(Bunkamuraオーチャード・ホール)

パウロ・ペデルネイラス率いるブラジル(ミナス・ジェライス州)のダンス・グループ、グルーポ・コルポの初来日公演。
いずれもブラジルを代表する音楽家、トン・ゼー/ジョゼ・ミゼル・ヴィズニック(「パラベロ」)、カエタノ・ヴェローゾ(「オンコト」)とのコラボレーションによる演目である。
一言でいって、音楽を楽しみながら、とてもリラックスした気分で観ることができた。
ヨーロッパや日本の一流カンパニーでは当然ともいえる、一糸乱れぬ群舞の洗練が強いてくる緊張感が(よきにつけ、悪しきにつけ)ない。
とても動きのきれいなダンサー、まあまあかなというダンサー、それぞれが少しバラバラしながら同時に踊る姿に明るさを感じる。
一方で、デュオの部分には、動きとして面白いものがあった。
「パラベロ」での、男女がまるでひとりの人間のようにも、男が人形を操っているようにも見える動き。
「オンコト」にも二組の男女のデュオがあったけれど(ポスターになっている、仰向けの男性に女性が飛び込むような動き)、「分身」ってことをちょっと考えてしまった。
(分身っているんだろうか、この世界のどこかに…)
暗闇の中に浮かんでくる全裸のダンサーにも驚く。
全裸ということより、人間の体の部分が昆虫の顔に見えもするのだという驚き。
人体のパーツが接写されると全然違う何かにも見えるというのは、写真などでも時々体験することだ。