千本ノック、ジェームズ・アンソール展

昨日、ついに150本目の小説を読み終える。最終日に何とか間に合ったジェームズ・アンソール展の行き帰りの道を歩きながら。若者に「千本ノックみたいですね」と言われた。「この暁にはホームランが打てますね」とも。まったく同じことを翌日、友人にも言われてしまった。しかしシロウトの小説を死ぬほど読む千本ノックで打てるホームランて何なんだろう。下読み王?
毎度興味深い経験ではあるが、最後の最後まで翻訳の進行とぴったり重なったのは参った。昼間美術館に行ったし土曜も遊んでしまったので、結局明け方まで翻訳の最終校正と作品のコメントのまとめ、ダンボール作りをやる。今朝、積み重なっていた5つのダンボールを送り出してすっきり。
ジェームズ・アンソールは最終日で大混雑だった。こんな日に行くものじゃないが、後悔するよりはいいか。ゆっくりは見られなかったけど、面白い。ひと言でいえば、妄想に満ち満ちた島田雅彦の落書きのイメージ。服を着た骸骨や仮面は有名だが、胴体が昆虫の人間とか肛門から鶏が飛び出してる人とか、ベルギー北部と思えない色使いも興味深い。それにしても美術館カップルというのが多いものだな。頭をぴったり寄せ合いながら、必ず男のほうが講釈をたれているのがウザイ。