アッサンブラージュ

知人アーティストの個展に行く。
廃材の木や機械などの部品を組み合わせた半平面作品が中心で、以前から大ファン。
素材こそ違うけれど、クルト・シュヴィッタースを思わせるくすんだ色とハードな感じがとても好きだ。
今回は、イタリアの倒産した店から譲ってもらったという雑貨の売れ残りで作った「怒っている猫」の立体作品が気に入ってほしくなった。
18万円かー…。
木をベースに古いヴァイオリンのヘッドの部分やくるんとした部分をうまく嵌め込んで作った魚もよかったな。
同じく廃材の木でありながら、家族の古い写真をリアルな感じに表したシリーズもいい。
普通の木をどうやってこんなに古びた風合い、苔むした感じにできるのか、企業秘密を少しだけ教えてもらう。
実はこのシリーズの作品、以前清水の舞台から飛び降りる覚悟で一枚買って持っているのだ。
いくつか本の装画にもなっているけれど、今ひとつ作品のよさが表れていない気がする。
昼間ずっと魔女関係の本を読んでいたため、個展の後、魔女裁判についてつい話しまくる。

多くの書物で「魔女のほとんどは女性であった」という奇妙な表現を目にしては突っ込みたくなるのだが、これはwitchを魔女としか訳せないからこうなってしまうのである。
魔男っていうのは間男みたいだし、魔人というと違うものを思い浮かべてしまうし、魔法使いというとファンタジーみたいだし、確かになかなかいい日本語がないね。
でも全ヨーロッパと新大陸のニューイングランドで処刑された魔女のうち、2割ぐらいは男性もいたのだ。
ほとんどは女の魔女の関係者だけれど、中には特別運動能力が高いとか、力があるとかを魔術と見られて魔女狩りされた男性もいるらしい。
一昨日、公演の途中に靭帯を痛める大ケガをした熊川哲也も、ぜったい火あぶりにされてたよねという話。
彼が20歳ぐらいで伸び盛りの頃舞台を見たけれど、ジャンプをしたら宙にしばらく浮いていた。
人というより獣だなあと思ったものだ。
魔女には飛行系と獣への変身系があるが、熊川哲也はその両方を兼ねている。
幼児の死体から採った脂で作った軟膏を体に塗らなくても飛べるところがすごい。

魔女のまたがる箒を指して、女性の深層のペニス願望だとフロイトがまたしょうもないことを言っている(出典は上山安敏氏)。
ほんとにまたがって空を飛んでた女がいたのか、男が多勢の教会関係者および民衆が生み出した表象なのか、よく考えてからものを言えば?

バナナのジャムを煮る。
レモンがきれていたので代わりにシークワーサー・ジュースを使うが、とても美味しくできた。