アフリカ・リミックス

昨日、駆け込みで「アフリカ・リミックス」展。玉石混交ながら、好きな作品もいっぱいあったのだが、思い返してみるとアーティスト名も作品名もろくに覚えていない。
唯一覚えているのが、ジェーン・アレクサンダー(南アフリカ)の「アフリカの冒険」で、砂を敷き詰めた空間に、背広やドレスを着ていたり、人間の裸みたいな胴体のついた架空っぽい動物たちが囲む中、鎌や武器を引きずった人間が立っている、という作品。
それからデッサン風のアニメで、「パリの次に美しい町ヨハネスブルク」とかいうタイトルのついた8分ぐらいの作品。布の台に糸を刺繍したり貼りつけたりした美しい作品。エジプト人による太鼓演奏を映像化した「タブラ」。などなど。ミュージアム・ショップで、たまたま売っていた川田順造先生の『アフリカの声』を買う。
森美術館は魅力的な企画が多いから本当に仕方なく行くんだけれど、私は六本木ヒルズという空間が大の苦手だ。六本木自体、風水的によくない感じがするというか、何か生理的に居心地悪い場所である上に、あの巨大な建物には何ともいえない恐怖感、圧迫感をかき立てられる。
かつての回転ドア事故に象徴されるように、出入り口や通路などわざと人を追いつめるような導線が仕組まれている気がする。田舎から出てきたおばあさんが何かのはずみで迷い込んだら、二度と出られず、人にも知られずひっそりビルのどこかで死んでしまうのではないか。そんな妄想すら浮かんでくる悪夢的な空間。あんなところへ好んで住む人の気が知れない。だいたい53階にある美術館なんて本当にいやだ。今どき馬鹿みたいに冷房効きすぎなのも信じられない。
命からがら脱出して、外のタリーズで温かいコーヒーを飲んでいたら激しい地震。出がけに、ふとしたはずみでコンタクトレンズがぱりんと割れてしまったため、古くて今の視力に合っていないものを嵌めていたせいか、もともと頭がくらくらしていたのだが、地震のショックで激しい目眩と吐き気に襲われる。