アビタシオン・クレマンの画集



マルチニックはアーティストの宝庫。
本屋では、地元画家による抽象美術の画集を多数見かける。
写真はフォール=ド=フランスの中心街にあるリブレリー・アンティエーズの売り場だが、空港の本屋にまでずらり。
出版元はいずれも「アビタシオン・クレマン」。
名前の通り、本業はラム酒製造ながら、展覧会の企画、出版など文化的な活動にも力を入れている。
http://www.fondation-clement.org/default.asp?cont=7¶m=242&contC=6
聞いたことのある名前…と思ったら、ベケが率いる島最大の企業コンプレクス、グループ・ベルナール・アヨ(GBH)の中心となる組織だった。
昨年の大規模ストで、白人支配階級であるベケと奴隷の末裔との断絶をテーマとしたドキュメンタリー映像が話題になった時、私はそのように心ないベケとは違う、セゼールの友人だったし、文化にも理解があると懸命に弁明していたのがベルナール・アヨだった。
そうか、あのアビタシオン・クレマンか。そういうことか。

Khokho, Henri Guédon, Hélénon, Ernest Breleur, Louis Laouchez, Hector Charpentier...
本屋で画集をひとつひとつめくるとどれも面白くて、この画集がシリーズで日本でも見られたらいいなと思う。
買って帰るには一冊が重過ぎるし、40ユーロを超えるのでやや高い。
こんな時、専任の教員だったら、まとめて大学図書館に入れるとかいうことができるのかもなー。

町の中にあるさまざまな彫刻、特にシェルシェールの海と一体化するように立つアンリ・ゲドン(上記)のオブジェがすばらしい。