奴隷制廃止160周年

一昨日5月10日は奴隷制廃止記念日というのは去年も書いたが、今年は奴隷制廃止160周年にあたる。
サルコジ大統領は、次の新年度より小学校の授業内容として奴隷制とその廃止を盛り込むと発表。
中学・高校では、エメ・セゼールの作品が扱われることになるとした。
(つまりこれまでフランスの学校教育において奴隷制は教えられていなかった)

また大統領は、この記念日を5月10日ではなく同じ月の23日にするとも発表。
もともとこの記念日は、マリーズ・コンデを委員長(当時。2008年から現委員長はフランソワーズ・ヴェルジェス。コンデは委員を退く)とする「奴隷制の記憶のための委員会」がシラク前大統領に働きかけた結果2006年に制定されたものだが、社会党系その他の団体から日付の変更を求める声が挙がっていた。
1998年5月23日、4万人のアンティユ・ギュイアンヌ・レユニオン出身者たちによるパリ大行進の日を重要視しての意見である。
こうした齟齬に対しマルチニックの作家エドゥアール・グリッサンは、5月のすべての日をもって奴隷制を記憶する月間とするよう提言している。

以上、10日付リベラシオン紙、ル・モンド紙、「奴隷制の記憶のための委員会」ウェブサイトの情報から。