フランス語圏の映画

フランス語圏の映画の授業をやろうと思って、今あれこれ並びを考えている。
アメリカ合衆国のドキュメンタリー作家、ロバート・フラハティの1948年作品、Louisiana Story(『ルイジアナ物語』)は取り上げるつもり。
ルイジアナのバイユー岸辺に住むアカディアケイジャン)の一家に焦点をあてた、ドキュメンタリー要素の強いフィクション作品。
白黒フィルムで映し出される水の反射やバイユー奥地の陰影が、ジャン・ルノワールの映画のようだ。
石油会社から資金提供されている作品だけに、掘削シーンがやたら長いが、それはおくとしても、ワニや鳥やワニに食べられてしまう(?)かわいすぎるアライグマらが登場し、動物映画としても楽しめる。
あとは主人公の少年や父親が話す言語。
全体に台詞は少ないながらも(全員シロウトだそうだ。演技者の名前からして一家のメンバーは本当にアカディア人)、家族内でも英語とフランス語系クレオール語が混在していて、興味深い(字幕がないので、なんだかよくわからない部分も)。

これはケベックの映画とセットでやろうと思う。

他に西アフリカの映画ということでセンベーヌ・ウスマンなども。
『女たちの村』(Moolaade)が赤土色の家屋や女性たちの衣装の布地など色彩がきれいで、女子割礼という重いテーマだけれどいいなと思ってDVDを見直してみたら、フランス語がひとことも出てこない!
これ、全部フルベ語かな?
これは同じ監督による白黒の60年代作品、La Noire de...と組み合わせようかと思っている。
南仏でひどい条件のもと働くアフリカ女性の話で、字幕はないが、わかりやすいフランス語が使われているから。

面白いものはいろいろあれど、字幕つきのもの、つまり日本の会社を通しているものが少ないのが難点。
学部生には短いものを選んで、解説を充実させるなどの工夫が必要だ。
はっきりいって私もよくわからないということが多々あるのだが、要は不安がらずに堂々と見る習慣をつけるということだろう。