映画の会

今日の映画の会は私がモデレーターにつき、カリブ海地域、特にフランス語圏をめぐる作品をいくつか用意しました。
1、ロバート・フラハティRobert Flahertyの『ルイジアナ物語』Louisiana Story(1948,U.S.A)
2、マヤ・デレンMaya Derenの『神聖騎士』Divine Horsemen:The Living Gods of Haiti(1985, U.S.A)
1については前にも日記に書きましたが、ルイジアナの沼沢地バイユーの自然と、その近辺に住むケイジャンアカディア人)の家族と、この地に進出してきた石油掘削工場の作業に焦点を当てた作品。
2はユダヤ系ロシア人のシュルレアリスト舞踊家、映像作家がハイチに通い詰め、自らブードゥーの女司祭(マンボ)になり、憑依しながらカメラごと儀礼の輪の中に入り込んで撮ったといわれる作品。
どちらも見るたび発見があります。
Louisiana Storyは英語字幕なしの上、何をしゃべってるんだかよくわからないところが多いけど、英語の得意な方々もよくわからないんだと今日わかって安心しました。
それでも一回多く見るごとに、聞きとれる部分が増えてくる。
バイユーの水の表情が何より豊かだし、あらいぐまチョウチョウは可愛いし、アレクザンダー少年が腰に塩の袋をぶら下げ、胸の内側に生きたカエルを忍ばせて厄除けにしているところなども見習いたく、気に入っています。
レジュメを作るために調べていて再確認したのは、18世紀頃、アカディアの人々がルイジアナに逃げ延びてくる過程で、ルートは必ずしも陸路だけでなく海路の場合もあり、サン=ドマング(ハイチ)を経由して来た人たちもいたということで、興味深く思いました。
当然やはり、フォークナーのトマス・サトペンのことが頭に浮かんできて。

時間が余れば、カリブ海をさらに南下して、グアドループの人気バンド、グループ・ソフトGroupe Softの2006年のライブ映像、Soft en Live a Lakazaを見てもらうつもりでした。
2002年に結成され、ギター、サックス、ベース、太鼓などで構成されるこのバンドは、Kadans a paye laという曲が、ダンス音楽ズークのカッサヴ以来のヒットとなり、有名になりました。
クレオール語で歌われる歌詞はかなり政治的、民族主義的でもあります。
ズークなどより、穏やかで深みのある演奏で、私は好きです。