クリスチアーヌ・トビラ議員「新たな人種断層」

グアドループでは24日間、マルチニック、ギュイアンヌでも一週間となるゼネスト
飛行機の発着はできず、郵便業務は停止し、学校は閉鎖で子どもたちは自宅待機、わずかに営業するガソリンスタンドに長蛇の列ができている。
この間、海外県担当大臣イヴ・ジェゴが右往左往して労使代表の要求に対する発言を濁していたが、11日になり、フランソワ・フィヨン首相は「200ユーロの賃金上昇」をはっきりと拒絶した。
一方、LKPがまとめる組合側も折り合う気がなく、事態はますます泥沼化している。
この事態に対し、ギュイアンヌ選出のクリスチアーヌ・トビラ議員が「新たな人種断層」la nouvelle fracture racialeと批判している。
「人種断層」といえば、話題になった社会学パスカル・ブランシャールの著書のタイトルだ。
トビラによれば、富める地主階級、何ももたない階級という構図がはっきり人種で分離され、今回のような物価の異常な高騰という事態の前に後者がわりを食っているという。
http://fr.news.yahoo.com/3/20090212/tfr-social-guadeloupe-taubira-8d303c5.html

「200ユーロの賃金上昇」という大変な要求が仮に飲まれたとして、それで問題解決となるのかという疑問が残る。
というか、まったくならないのは明らかだ。
フランスも当然巻き込まれている世界的な経済危機のなかで、自前の生産力をもたず雇用も物資も全面的に本国に依存するという構造の歪みが一気に露呈したものと思える。
この構造を何とかしないかぎり、どうしようもないという気がする。
などということはグリッサンの『アンティユのディスクール』の重要な論点としてさんざん書かれているのに、30年も経って、なぜ小さな規模ででも、国を介さず独自の産品を作って売るとかいう工夫をあまりしないんだろう彼らはと思ったりもするが、トビラのいうことが正しいなら、有色人は所有地を手に入れて何かを始める、たとえば独自の農産物を作ってビジネスにするということがまず不可能なほど土地所有が独占されていて、それがすべてを阻んでいるということなのだろうか。
実態は本当にそうなのだろうか。
(疑っているというより、本当にわからないと思っている)