やはりドメネク

フランス代表チームがこんなにひどすぎるのはなぜかということをしばらく考えていた。
そんな時、つい自分に身近なものだから、「フランス人は」とか「カリブの人間は」とかと、個人的な体験や知識をもとにまとめてしまいそうになる。

選手ひとりずつの能力は高いのに全体としてバラバラなのは、しばしば見てきたどうでもいいことでのわがままや他人への呆れるほどの不親切――一般にフランスの「個人主義」と呼ばれている――が要因なのかと考えたり。

どれだけ長く代表でいてもリーダーシップという感覚を持ち合わせない選手を、カリブの海外県における歴史的な責任の不在と関係づけたり。

しかし、それぞれ無関係ではないにしても、そんなひと括りもまた危険なこと。
そしてそう言いつつ、ここに来て私は「ドメネク監督が最大の問題」というシンプルかつごく一般的な結論に落ち着いた。

不評は前から知ってはいたが、この監督についての記事などをまとめて読んでみるにつけ、監督としての本業(代表選手の選抜能力とその後の扱い、指導の方針)はもちろん、私的な行動の数々も含めて、頭が完全にどうかした人物だという感想をもつ。
(ユーロ2008の予選敗退時に出演したテレビで恋人にプロポーズするとか)

こんな醜態試合の直後、南アの監督が差し出した手を振り払うという子供じみた姿にも表れていたが、知性がまるで見られない。
なぜこれほど長期監督でいられたのかが疑問…。
最近世界のあちこちで(と、もちろん日本の日常を念頭に置いている)、指揮者であるいいおっさんの幼児性とプランのなさが目につくのはなぜだろう。

とはいえ、間もなくローラン・ブランが新監督に。
98年大会で活躍したあの選手がついに監督とは隔世の感…。
新しい時代への変化を期待したい。