2009-01-01から1年間の記事一覧

目鯨をたてる

「目クジラをたてる」という言葉を久しぶりに聞いたら、これってどういう意味なんだろうと不思議でたまらなくなる。 目の鯨っていったい。 そういえばシー・シェパードなど、いつも目クジラをたてている。 調べればかんたんにわかりそうだけど、それもつまら…

エドワード・カマウ・ブラスウェイト

ある本を読んでいたら、前からどこからの引用なのかと疑問に思っていたフレーズ、「統一は海底にある」The unity is submarineを偶然に見つけた! エドゥアール・グリッサンがブラスウェイトの言葉として何度も何度も使い、さらに多くの人に孫引きされ、シン…

マルチニックの少年からのメッセージ

ミクシィというのは基本的には若者向けという気がするし(たぶん)、どちらを向いてどう接していいのかわからないので、ほとんど活用していないのだが、突然東京に住むマルチニック人の男の子からメッセージとマイミク・リクエストが届いて驚いた。 初めは誰…

9月のお題:シュザンヌ・セゼール

夫婦別姓法案が再び話題になっているが、シュザンヌ、シュザンヌと原稿に書き続けていて、バラエティタレントではあるまいし、何だか腑に落ちないながら、セゼールと書いたらどうしたって誰もがあのセゼールを思い浮かべてしまうし、と困っている。 シュザン…

もうひとつの世界

最近、夢の中にいろいろな知り合いが出てくる。 普段それほどその人のことを考えていないような人も、もう過去のつき合いになってしまった人ももう全部。 友人、知人、家族、親戚全部なのではないかと思ってしまう。 旅行中が特にそうだった。 あの人、まだ…

ハマムの代償

ハマムへ行き、ゴマージュなるものを生まれて初めて受けたら、ふくらはぎや腰周りの皮膚が赤剥けになってしまったのが、最近になりようやく元の状態に戻った。 「初めてなの? 怖がらなくていいよ、お嬢さん(!)」と言われ、何台か並ぶ台のひとつに寝かさ…

八ッ場ダム問題

新しい政権がマニフェストの実行に向け動き出す中、障害者自立支援法の改正や生活保護の母子加算復活、高校の授業料無料化などは「いいぞ、いいぞ」と思って見守りながらも、八ッ場ダム建設中止の動きにかぎっては、その手続きを疑問に思わずにいられない。 …

一世紀の壁

1910年(明治43年)生まれの祖父が死去。 ああもう少しで100年、惜しいと思うと同時に、とはいってもやはりほぼ100年、ひとりの人間が見てきた一世紀とはどんなものだったのだろうとも思う。 生まれたその年には大逆事件、韓国併合、不二家が創業、セーヌ川が…

鳩山内閣

選挙当日不在だったし、自民対民主の流れにあまり興味を持てずにいたため、さまざまな事情に疎いままでいたのだが、この3週間ぐらいの新聞を数日かけて一気読みし、ようやく追いつく。 ・ フランスでは3日ぐらいテレビも新聞も日本大特集で、「革命」だ「大…

タブララサ

最近わりと区切り的なできごとがあり、そういうものがひとつ終わるとそれ以前のことを忘れ、自分が真っ白になってしまう傾向がある。 観光客というのは生活者と比べてどうしたってマヌケな存在に感じられるものの、ある程度はお互い様だし、知らないところへ…

西を極める

去年の今日は、日本の最西端に行った直後だったが、今年はフランス最西端、ラ岬を踏んだ。 これがほんとの地の果て、フィニステール。 同じ最西端といっても、島と古い大陸の違いは大きい。 小型バスが進む一本道の両側に、ヒースのはびこる広い広い茶色い大…

ギミリオーの小教区囲い地

地の果て、フィニステール県の港町ブレストの東側一帯には、Enclos paroissial(小教区囲い地)と呼ばれる不思議な教会の区画がいくつもある。 この辺は、6世紀頃ウェールズから宣教にやってきた人々と関係の深いレオン教区にあたる地域だ。 ・ 中でももっと…

パリの本屋

パリではrue des Ecolesのふたつの書店、L'HarmattanとPrésence Africaineは必ずのぞくことにしているけれど、そういえばそこからほど遠からぬrue CujasのLe Tiers Mytheという本屋で何度か宝物を見つけたことがあるのを、いつも日本へ帰ると忘れてしまう。 …

期日前投票

生まれて初めてのことだと思うが、期日前投票に行ってきた。 しかし今回の選挙、自分としてはまったく盛り上がらない。 世間の流れにそのまま従う気もしないし、だからといって現政権を肯定などできないし(候補者の妹さんなら大好きなのだが)。 でも前回の…

夏なのにナラトロジー

「あなたとなら・やまとじ」というJRのコピーがあったのを思い出す。 こちらは、訳あってナラトロジー。 ・ 盆が終わり、高校野球の一回戦が終わり、ツクツクボウシが鳴き出すと、もう寂しさを抑えられないが、それでも夏の日々はすべて好きだ。 私は今っ…

アナトール・ル・ブラーズ、土地の名

藤原書店から出ている『ブルターニュ 死の伝承』が高すぎて買えず(1万円ぐらい)、原書も売り切れだったため、やはり最近刊行された同じ著者の『ブルターニュ幻想民話集』を2600円で買って読んでいる。 そして気づいたのだが、出版社も訳者も違うけれど底本…

アリスは、落ちながら。捨てられないもの

いざという時、これだけは残しておきたいというようなモノは何もなく、モノなんかなるべく持たないですっきり生きたほうが生産的と思いはするものの、生きている年数だけチマチマしたいろいろが溜まってしまい、捨てるには捨てるがいつも思いきり悪く、五月…

Qの魔力

あまりに暑いので、そのまま外に出たら公序良俗に反するような姿で茄子を揚げながら、カレーを煮込んでいたらグラっと強い地震。 在宅中もあらゆるリスクに備えて心せねばと思う。 (茄子を煮込んだカレーより、揚げ茄子をトッピングしたカレーがより美味し…

文庫の連鎖

ひと息つくのに適当に手にした文庫本を読んでみたら、文庫が文庫を呼んで採点そっちのけで文庫ざんまいとなる。 ポー、江戸川乱歩、泉鏡花、ルルフォ、恒川光太郎、久生十蘭、そういう系統の谷崎潤一郎、そういう系統の夏目漱石…。 初めて読むものも、ずいぶ…

抗がん剤とヅラ

一年ぶりに会った友人がナチュラルな感じのベリーショートで現れたので、「すごいリアル」と驚くと、これは正真正銘地毛だという。 一年前に会ったときは、これからやる抗がん剤治療に備えてお洒落なヅラを探しているといっていたのだが、約半年の治療が一段…

マース・カニングハム死去

ニューヨークのダンサー、コレオグラファー、マース・カニングハムが亡くなった。 享年90歳。 マースよりピナのほうが先に、しかも立て続けに亡くなるとは思いもしなかった。 ・ 動いて、踊っているのを現在のこととして見たことがある人がもういないという…

暴風雨のあとの晴天

嵐のような一週間。 その最大の山場であるコロキアムをいちおう通過する。 ここ何回かのフォーマル需要のために買った真っ白なくるぶし丈のクロップト・パンツを穿き、すべてを詰め込んだカート付きの旅行バッグで出かけようとすると、急に土砂降り。 無印の…

内定祝い

キャトルズ・ジュイエの今日、学生たちの内定をスイーツでささやかに祝う。 たまたま巡り合わせとはいえ、今年の就活は本当に困難をきわめているようで、見ていて不憫なほどだった。 最初の内定が出たとの知らせも、去年、一昨年よりだいぶ遅かったと思う。 …

[三面記事]ノーマ・カマリのTシャツを西友で発売

スーパーの西友は米国のデザイナー、ノーマ・カマリのTシャツを親会社ウォルマートとの共同調達により690円で発売する。 ・ 1980年代半ば、一世を風靡したブランド。 上の話につなげて言えば、私はインタビュアーとしてのキャリアは会社員時代に遡りそれな…

足立夢実

少し前から密かに注目しているシンクロの足立夢実。 先週、テレビと新聞に取り上げられたせいか、この名での検索が結構あった。 そのインタビュー記事(「小さな体を大きく見せる」7日付・朝日新聞)を読むと、まるでアフォーダンスの佐々木正人先生によるイ…

Mes jumeaux miraculeux

11年ぐらい前と8年ぐらい前に買ったカンペールの同一の靴二足を修理してもらう。 一体型のラバーソールなので、すり減ったらそれでお終いかと思っていたのに、古い方の一足がみごとに蘇って戻ってくる。 底の傷んだ部分を切り取って、同じかたちに切った新し…

与那国に陸上自衛隊配備か

「検討に値する」 自衛隊与那国配備で浜田防衛相(2009年7月6日付・琉球新報) 【東京】自衛隊の与那国島配備に積極姿勢をみせている浜田靖一防衛相は6日午前の閣議後会見で「南西諸島の防衛は重要。現在の防衛大綱にも島嶼防衛を盛り込んでおり、防衛、災…

ピナ・バウシュ

火・水・木の新聞は週末にまとめて読むので、不覚にも訃報を今日になって知り、愕然とする。 去年間近に見たのがつい昨日のことのようなのに… マーサ・グレアム、マース・カニングハム、大野一雄同様、百歳までも生き延びる体だと信じていた。 7年ぐらい前、…

学生の名前

ああ、もう7月。 季節として好きすぎて苦しい。 以前の感覚では7月が土曜日、8月が日曜日だったが、最近は前倒しになり、喜びのピークは夏至(小誕生日でもある)にあり、6月が土曜日で7月が日曜日。 つまり7月には、もう夏が通り過ぎる、終ってしまうという…