Qの魔力

あまりに暑いので、そのまま外に出たら公序良俗に反するような姿で茄子を揚げながら、カレーを煮込んでいたらグラっと強い地震
在宅中もあらゆるリスクに備えて心せねばと思う。
(茄子を煮込んだカレーより、揚げ茄子をトッピングしたカレーがより美味しいと最近発見)

1Q84』にひっかけて、朝日新聞で石飛徳樹という記者が書いている「Q」の文字がもつ不思議な力についての記事に共感する(8月5日付夕刊)。
記者によれば「Q」の文字の形状は、謎めいたイメージを喚起する場合と、コミカルの効果を喚起する場合がある。
後者の例としては、「オバケのQ太郎」やチョロQ、シャ乱Qなど。
そして前者の例として挙げられているのが、1966年、円谷プロが日本初の本格特撮テレビドラマとして制作した『ウルトラQ』だ。

ウルトラマンウルトラセブンのヒーローものに先行する同シリーズながらヒーローのいない『ウルトラQ』について語られるのをあまり聞いたことがなく、久しぶりに思いだしたけれど、世界のしくみに疎い幼い者にはとてつもなく怖い作品だった。
「混沌としたマーブル模様が次第に形を成し、「ウルトラQ」の文字になる。このオープニングが当時の子供たちを異世界へ連れ去った」と記者がいうとおり、白黒のカオスからぐにゃぐにゃと浮き出る文字には魔力があった。

内容がまた怖い。
ヒーローものと同様、地球には理不尽な厄災と予想される終末が迫ってくるのだが、一気に解決してくれるヒーローなど存在せず、無力な人々はただ怯えるばかり。
いや、人々の勇気と知恵で最後には解決されたかもしれないけれど、こちらには理解できず、ただただ恐ろしかった。
地球がすべて泡のようなもので飲み込まれてゆく回が特に印象に残る。

実は『ウルトラQ』のあの世界は、現在の現実の世界に似ているような気がしてくる。

Questionの頭文字だから、謎を問われているような気分になるというのもあるだろう。
『阿Q正伝』というのも奇妙なタイトルである。