日本のグルノーブル

多摩川というのは荒川育ちの自分にとってはインテリの川、育ちのいい川というイメージで、渡るたびに「はー」という憧れの思いとともに目をやる習慣なのだが、相模川まで越えると神奈川県もそのイメージをがらりと変える。
駅からの風景はお洒落な神奈川というよりは大宮駅西口感覚。
どうなることかと不安な気持ちになっていると、バスの窓越しに丹沢山地が見えてくる。
途中、コメダ珈琲店を見かけた。
ピレネーの向こうはアフリカならぬ、丹沢の向こうは名古屋と呟いてみる。

キャンパスに着いてみると、山は間近で山襞がくっきり見える。
なんだかグルノーブル第3大学に教えに来ているみたい。
大学の建物もどこか60年代末から70年代の雰囲気を醸し出し、グルノーブルっぽさが溢れている。
授業の前にひと山登りに行きたくなる場所。
自宅のある都心より、確実に空気もきれい(敏感な気管支の反応ですぐわかる)。

体力がない身には遠距離通勤は難儀なこと。
だけどやっぱり知らない場所に行くとどうしても盛り上がってしまうんだな、基本的に私は。