2005-01-01から1年間の記事一覧

地震

エジプト観光地で大規模テロ、ロンドンで無実の市民が警察により射殺、首都圏では千葉を震源に震度5の地震。 折しも地下鉄に乗っていた私は、自動制御装置による急停車で転びそうになる。その後40分間、車内に閉じこめられた。私は徒歩で帰宅できたが、待…

7月

不定愁訴がひどい。だけど7月は一年で一番好きな月なので、幸せだなあと思うことにする。暑くむっと湿っていて、植物がどんどん育って、みんながバテている分、相対的に自分が元気だと思える。昔はプールにもよく行った(こんなボツボツな体じゃ今年は水着…

やまびこ挨拶

またネットカフェ生活。もうひとりでパソコンと格闘し、時間を取られるのはうんざりだ。 先週は普段つき合いのない業種の人々と話す機会があり、「やまびこ挨拶」という業界用語を知った。ツタヤとかブクオフとかに入ると「いらっしゃいませこんにちわー」と…

ガヤトリ・スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』月曜社(2度目)

比喩形象としての「ポストコロニアル」が、排除された存在である「ネイティヴ・インフォーマント」になりかわって、その存在が本来なら位置しているべき場所のうえに上書きしているということが本書の主張。時に理性的・客観的に、時に逆上しながら、つねに…

ウェス・アンダーソン『ライフ・アクアティック』

男の子趣味満載の、すみずみまで楽しめる額縁マリン映画。ベラフォンテ号船倉の観察室で寝てみたい。丸い窓の向こうをキッチュなピンクの小魚の群れが通り過ぎる。その後に巨大なジャガー・ザメが姿を現す。探索係のイルカたちは馬鹿なので指令を理解できな…

酢豚

この前、国立の中華料理屋で食べたシンプルにして豪快な黒酢の酢豚が感動的に美味しかったので、作ろうと思い立ったが、酢豚の基本的な作り方を知らないことに気がついた。こんな時パソコンが壊れていると、ぱぱっとネット検索できずに不便。金井美恵子の『…

テオ・アンゲロプロス『エレニの旅』

最終日に何とか間に合った。最近こんなことばかり。でもやはり劇場で観てよかった。卵色に照らされた劇場のバルコン席にたくさんの家族が暮らしているというのがいい。うって変わって白いシーツが一面にたなびく「白布の丘」。水に埋もれる村。弔いも筏に乗…

東京ってネットカフェが全然整備されてないんだなー。初めて知った。メールチェックに方々渡り歩いて、非常に不便。 マングローブの苗とネペンテス(ウツボカズラ)の鉢を買う。ネペンテスは去年の夏に買って一度枯らしてしまったが、形状が好きなのでもう一…

崩壊

パソコン2台とファックスが壊れた。シマンテックの人も、ずいぶん頑張って試みてくれたのだが…。ネットが使えなくなるたび、絶望のどん底に陥ってしまう。今も外から書いている。 全身の発疹が治まらず、クラリチンに加えてポララミンというもっと強力なのを…

梅酒とハモ

二年ぶりに梅酒を作る。今年は南部(ミナベってこういう字?)の梅を逃さず買えた。ホワイトリカーでなく、ウイスキー一瓶に氷砂糖を280グラムぐらい(前回より甘党になったので少しだけ多い)。ほんとは数年もののトロリとしたのが飲みたいが、たぶん漬けて…

直球100本

社会人大学院生が書いた小論文100本読み。何だか春からこんなことばかりしている。先日の小説150本読みで基礎体力を鍛えられたなと実感。同じテーマのもとに書かれた文章だから、直球だけを打ち返しているようなものだ。 コメントをつけるに際して、「です、…

ステファニー・ブラック『ジャマイカ 楽園の真実』

原題はLife and Debt。元首相やIMF幹部、工員や農民などのインタビューで構成されたドキュメンタリー映画で、ジャマイカの、というよりカリブ海諸国の農業問題、IMFとの関わりなどがよくわかり、興味深かった(7月16日より渋谷のアップリンク・ファクトリーで…

セドリック・クラピッシュ『ロシアン・ドールズ(スパニッシュ・アパートメント2)』

試写で観る。いつも通り、主役のグザビエはロマン・デュリス、元恋人がオドレイ・トトゥ。ロマン・デュリスのインタビューを読んでいて気づいたのだが、そうか、デュリスのグザビエというのは、ジャン・ピエール・レオー演じるアントワーヌ・ドワネルなんだ…

カリブのダニの顛末

昨夜来、全身に発疹が広がっているので、あわてて皮膚科へ。どのみちドミニカのダニの刺され痕も診てもらわなきゃと思っていたし、と医者に告げたら、全身の発疹はドミニカのダニが原因と言われ驚愕する。強い痒み物質が体内に残っている影響で、他の部分に…

千本ノック、ジェームズ・アンソール展

昨日、ついに150本目の小説を読み終える。最終日に何とか間に合ったジェームズ・アンソール展の行き帰りの道を歩きながら。若者に「千本ノックみたいですね」と言われた。「この暁にはホームランが打てますね」とも。まったく同じことを翌日、友人にも言われ…

コメント

大学で授業。今日は小説作品についての学生の発表を受けて、コメントをする。これがむずかしい。若い学生たちだから論旨にかなり乱れや飛躍があるけれど、切って捨てるわけにはいかず、生産的にフォローしなければならない。院生同士の対等なやり取りとの大…

BSでやっていたニュージーランド映画『クジラの島の少女』(ニキ・カーロ監督)を途中から観て感動した。女の子であるため部族の伝統を受け継がせてもらえず、祖父から疎まれるパイケア(ケイシャ・キャッスル・ヒューズ)が魅力的。 パイケアが巨大な鯨にま…

パーティー

大学教員の懇親パーティーで横浜に行く。仕事をつなげるため必須だが(つながるともかぎらないけど)、社交はとても苦手。たまにそう言ってみても誰も信じてくれないけれど、本当に本当。 パーティーで会ったマルチニーク人に、カリブで刺されたダニの痕が二…

ドミニク・モル『レミング』

近いから、また試写に行ってしまう。シャルロット・ゲンズブール、シャーロット・ランプリング、ローラン・リュカらの演じるサイコ・サスペンス。何年も前、ワシントンの映画館でアメリカ人の友人たちと観た『ハリー、見知らぬ友人』の監督作品だ。日常なの…

ショコラティエ

映画の日なのに、結局校正で家から出られなかった。疲れが溜まりすぎなので、積極的にサボろうと思っているのだが。でも昨日は日本橋まで足を伸ばして、パスカル・カフェにショコラを飲みに行った。濃厚なショコラ・ショーにパッション・フルーツのボンボン…

ジャン=ポール・サロメ『ルパン』、ジャック・ドゥミ『ロバと王女』

6月に横浜で行われるフランス映画祭出品作品の試写。翻訳の仕事の待ち時間、気分転換に観る。『ルパン』は秋に公開も決まっているエンターテインメント大作。ルパン役のロマン・デュリスはセドリック・クラピッシュの映画ではおなじみで、相変わらずいかがわ…

はまぐりとダニ

はまぐりを食べたら、下唇と顔が腫れ上がった。過去にも同じことが二回ある。疲れているときのはまぐり。あさりでもしじみでもなく。上唇ではなくぜったい下唇。気分も悪くなってすぐ目が覚め、結局徹夜になる。牡蠣を食べると胃が痛くなるけれど、唇は腫れ…

スペイン

ずっとずっと翻訳。いま夜中の12時半だが、朝10時に起きてまだパジャマのまま。もう夜になってしまった。コンタクトレンズを入れて歯磨きはしたけど、顔は洗っていない。 コロ・バーストのCDを聴いていると落ち着く。擦れた声とギター。苦いオペラ(チョコレ…

息継ぎ

多和田葉子について、大学で授業した。1年生から4年生までいる。やっぱり男子がいると華があるな。女子も知的な感じ。 口頭発表や講演のようなことをすると、声の高さをどのへんに定めたらいいのかわからなくて、たいてい低すぎてしまい、しゃべりながらずっ…

国立

久しぶりに国立の町を歩いた。この季節の駅前通りは新緑が気持ちいい。わたしが知っている土地とは違って、町に品と教養があふれている感じ。 そして、お呼ばれで行ったマリーズ・コンデ・ゼミをぶっ続けで5時間半。引用されているクレオールの語彙、『嵐が…

カリブ人

4月半ばから連日仕事漬け。スペイン人の書いた変な英語の翻訳は翻訳というより謎解きに近い。スペイン語の原文とも格闘する羽目になり、合間に日本語を読み、頭がおかしくなる。煮詰まるとチョコレートとか濃いコーヒーが欲しくなるのは、昔はなかったこと。…

ちらちら虫

自分の意に沿わないが実力は認めなければならない作品を前にすると、どう評価すべきか悩んでしまう。編集者の意向はわかっているだけによけい。自分にとって異性の主人公を選ぶことはそれだけでチャレンジだ、と前に編集者にいわれた。確かにほとんどの書き…

グリッサン

数日前、TV5でやったエドゥアール・グリッサンのインタビュー・ビデオを観た。自分の場合、レシ(物語内容)よりまず詩が文学の核にあるという話、カリブ海の人間には、記憶はプルーストのようにカテドラルを築くようには行かず、川の支流をつかんでいくよ…

ヘンナ

ヘンナで髪を染めてもらう。カラリングというよりは、トリートメントのつもりでやってもらい、柔らかく、コシのある髪になったのに満足していたのだが、人に会うたび、「黒くしたんだねー」といわれるように。もともと茶系の髪の毛が黒緑色になったらしい。…

悪夢

疲れの大きな原因は昼夜続けている翻訳と他人の小説150本読み。猫をつかまえて縛り、車に轢かれるところを観察するというおぞましいのを読んだ時はほんとに気持ち悪くなり、そのまま寝たら悪夢にうなされてしまった。