2005-01-01から1年間の記事一覧

工藤庸子『プルーストからコレットへ』中公新書

20世紀の文豪プルーストとレズビアンの風俗作家コレットは、実は同時代人で面識もあり、同じ世界を共有して生きていた。その結節点とは…? 第一章 出会い 『シェリ』のレアと『失われた時』のオデットは同じ裏社交界のココット。輪郭のあいまいなオデット…

お悔やみ

親しい人がそんなにたくさんいるわけでもないのに、ここ一年ちょっとで親しい人のお父さんが5人ぐらい亡くなっている。お悔やみばかりいっている気がする。60歳から70代半ばぐらいまで。男性ばかり、しかも平均寿命に達していない人ばかり。かたやうちときた…

ファノンの悪口

みんなの前ではいわないようにしていたフランツ・ファノンの悪口をついぶちまけてしまったら、思いのほか優しく受け止められた。ちょっとすっきりする。 若者から初めて投票に行ったとの報告。さんざんうるさくいった効果が出た。秀才らしく各党の政策から候…

ゴーヤを三個収穫(といってもそれぞれ8センチ、6センチ、4センチぐらい)。実が詰まって瑞々しく、生でも食べられる美味しさ。市販のものより苦味も少ない。 ウツボカズラも大きい蜂をゲット。

収穫

選挙後

選挙からしばらく経った最近、周りにいる反小泉の人たちがある傾向を示している気がする。あまりに空虚な主流の流れに絶望してか、地域主義、家族主義の価値というのをしきりと口にするようになり、以前より確実に保守化しているのだ。ごく少数の事例だが、…

アレルギー

夏いっぱいの我慢と思っていたアレルギー症状が9月になり一層激化している。3月にカリブ海ドミニカ島でダニに刺されたのがきっかけだから、もう半年悩まされていることに。 6月頃の斑点とは違って、最近は蚊に刺されたような痕があちこちにできる。初めは蚊…

ダニエル・ブルマン『僕と未来とブエノスアイレス』

ブエノスアイレスのガレリア(商店街)を舞台にした商店主たちのドラマ。主役は『ウイスキー』でちょい役だったダニエル・エンドレールで、ユダヤ系ポーランド移民を祖父母にもち、ヨーロッパに渡りたいと考える青年を演じている。ポーランドをろくに知らない…

ジャック・デリダ『尖筆とエクリチュール』白井健三郎訳、朝日出版社、1979年

以前読んだ『他者の耳伝』と同じく、エクリチュール・女性・真理をめぐるデリダ独自のニーチェ論。デリダの女性(性)論はとても興味深い半面難解なので、誰かに解説してほしいとよく思うが、日本のデリダ研究者は男ばっかりだし、大文字のことにしか注目し…

民主党

43歳の若手、前原誠司氏が菅直人氏を破って民主党党首に決定。清新な印象といわれているが、憲法9条を改正し、集団的自衛権を部分的に認めるとかねてから主張していた人物である。党首選挙にのぞんでも、小さな政府、能力主義などあまり民主党らしからぬ弱肉…

ジャン・ベルナベ、パトリック・シャモワゾー、ラファエル・コンフィアン『クレオール礼賛』(1993)

私としてはもともとかなり批判的に受け止めていた本書だが、もう一度内容を確認。 「ヨーロッパ人でもなく、アフリカ人でもなく、アジア人でもなく、我々はクレオール人であると宣言する。それは我々にとって一つの心的態度の問題であろう。不断の心がまえの…

マルセル・プルースト「スワンの恋」井上究一郎訳

プルーストの再読は通算9回目ぐらいだと思うが、実は「スワンの恋」の部分はいつも軽ーく流して読んでいたので、10年ぶりぐらいの精読である。オデットやゲルマント公爵夫人(この部分ではまだレ・ローム大公夫人)の凝りに凝った服装描写にうっとりする…

有楽町朝日ホール「ドイツ時代のラングとムルナウ」映画祭

気を取り直して映画。1920年代に撮影されたムルナウの作品三本を観る。『吸血鬼ノスフェラトゥ』『ファントム』『ファウスト』。『ファントム』はやや退屈だったが、怪奇もの二作は面白かった。ノスフェラトゥ、『ファウスト』のメフィスト、ともに異様な風…

選挙後

東京都は一議席を除きすべて自公の候補が当選。誰もが勝ち馬に乗ろうとする行動の表れだろうか。地方と自民党との癒着は昔からだが、世界のコスモポリタン東京はいつからこんなに単一で偏狭な都市になってしまったのか。石原都知事の教育の賜物だろうか。 自…

予想されたことだが、選挙速報を見ながら貧血が起きそうに暗くなっている。投票所にいたあの人もこの人も自民に入れたってことか。何もいうべきことはない。 世界柔道でも見て心を洗うことにするか。ごちゃごちゃした駆け引きばかりの外国勢と比べて、日本人…

台風14号の影響で激しい風。せっかく日々大きくなっているゴーヤの実6個が落ちないか心配だ。安定の悪い植木(マングローブ、パパイヤ)は室内に入れるが、すでに観葉植物の域を超えて大きくなってしまったバナナを入れるのは大変だった。一日中、洗濯物が飛…

美白

最近いささか紫外線を浴びすぎ、シミがどんどん増えているので、ファンケルのサロンで美白トリートメントを初体験してみた。 コンタクトをはずし目も閉じているので、何が起こっているのかよくわからないが、柑橘類のいいにおいのクレンジングに続き、ひやっ…

今朝、ゴーヤの黄色い花の下に小さな実がついているのを突然発見。全部で四つある。うちだけではない。近所でも実をつけているゴーヤをずいぶん見るようになった。ほんの数年前まで沖縄名物の珍品野菜だったのに、今では本州の民家でこうもポピュラーとは驚…

9月11日の選挙で誰に入れるかに悩んでいる。あまりに顔ぶれが悪く、個人のほうは棄権する手もあるのだが、今の流れを食い止めるための現実的な手立てを取るべきか。DV男になんてほんとは絶対入れたくないんだが。でもこの週末あたり、すでにマスコミは報道に…

鹿島田真希『六000度の愛』

「女は混沌を見つめている。なにか深刻で抽象的なことを思いついてしまいそうになり急いでそれを中止する。やがて我に返る。彼女は努力する。正気に返ろうとして。その努力は並大抵のものではない。表面に細かい泡ができては割れていく」。 この混沌とは鍋の…

ミモザ

最近の政治状況や身近な人々の反応に触れると頭に来るというより孤独感でいっぱい。世界中でたったひとりの気分。地味に論文でも書くほかない。 このサイトにたどり着くための検索語のなかで一番多いような気がするのは「ダニの刺され痕」だ。やはりみんな苦…

手相

最近地震も多いが、雷と豪雨も多い。神奈川にいたのでそれほどでもなかったけれど、東京はすごかったらしい。バナナも激しく成長している。クロアゲハ、アオスジタテハ、キタテハなど、蝶もやたら飛んでくる。個人的な趣味だけでいえば、日本が熱帯になって…

スピヴァク『サバルタンは語ることができるか』を再読。

サティー(ヒンドゥー教徒の寡婦殉死)について書かれた部分を読むと、直前に読んだ高橋哲哉『靖国問題』の内容と妙にダブってくる。天子様に捧げた息子を戦地で亡くし、靖国神社に祀ってもらうのは悲しむことではなく、喜ぶべきことという考え方と、サティ…

大学生協でマイクロソフトのOffice Professional Edition 2003を衝動買い。もう少しでバイオのノートブックも衝動買いしそうだったが、踏みとどまる。 吉川一義編著『プルースト「スワンの恋」を読む』というCDブックで、ずいぶん忘れてしまったプルーストの…

変な目つき

5度目ぐらいのウインドウズ・サーヴィスパック2の削除。そうしないとネットが使えないのだ。さらにワードがインストールできないという重大な障害が起こっている。ワードパッドで博論構想を書いているというのはミジメ。 郵政法案問題で小泉首相が敗退する…

カップル

自殺サイトで出会った女性たちを殺した男のニュース。めったに読まない読売新聞をたまたま目にしたら、見出しにも短い記事にも「独身」という語が何度も使われていて違和感をもった。まるで36にもなって独身だったから犯罪を起こしたかのような書きぶりだ…

お食い初め

お食い初め用の、かわいらしい朱塗りのお膳セットを見つけた。お椀の蓋に金色で松ぼっくりの絵が描かれているのがいい。ドイツの友人への出産祝いにするつもりだが、生まれたのは5月末なので間が抜けすぎ。早くしないと歯が生えてしまう。 再インストールし…

パソコン顛末

気候のせいか、パソコンのストレスか、全体的な気分のせいか、ひどい胃痛に。 三度目の再インストール。前回よりうまく行った気がするが、まだ信用してはいない。何度やっても新しいウインドウズの皮というかイメージみたいなものだけが上書きされ、結局駆逐…

青山ブルーノート、ルーツ・ミュージック・フェスティヴァル

アントニオ・カルロス・ジョビン・グループの歌手だったパウラ・モレレンバウムのライヴを聴きに行く。ゲストは夫でチェリストのジャキス・モレレンバウム。昨年出たCD『ビリンバウム』から多くの曲が披露される。「ビリンバウ」「インサンセテス」「プリマ…

カルロス・カレラ『アマロ神父の罪』、ペドロ・アルモドバル『バッド・エデュケーション』

台風のなか、ガエル・ガルシア・ベルナルの二本立てを観る。アルモドバルは、あまり多くの人から「今回のは全然だめ」と聞かされていたので、かえって面白く観られた。胸にぐっと来ることはないけれど、結構よくできているではないか。といって思い返しても…