有楽町朝日ホール「ドイツ時代のラングとムルナウ」映画祭

気を取り直して映画。1920年代に撮影されたムルナウの作品三本を観る。『吸血鬼ノスフェラトゥ』『ファントム』『ファウスト』。『ファントム』はやや退屈だったが、怪奇もの二作は面白かった。ノスフェラトゥ、『ファウスト』のメフィスト、ともに異様な風貌の俳優がいい(メフィスト役のヤニングスはムルナウ常連の怪優)。ノスフェラトゥは人間が演じているというよりも人形めいているところ、影による存在の暗示が恐ろしく印象的。
ファウスト』のみ、ピアノとヴァイオリンの演奏つき。無声映画の伴奏曲というのは、どうやって作曲するのだろうか。オリジナリティはまったく感じさせないいかにもなメロディー、でも場面場面にぴったり合っている長ーい曲。オリジナルな作曲よりかえってむずかしいような気もするのだが、そうでもないのかな。
朝から夜まで一日マリオン・ホールに籠もっている途中、千疋屋パーラーで食べたマンゴー・カレーが美味しかった。薬味として、刻んだピクルスだけでなく、新鮮なマンゴーがたっぷりついている。もちろんソースにも豚肉と一緒に煮込まれている。