ヴォルテールの「カンディードまたは最善説」5章、6章あたりには、1755年11月、ポルトガルのリスボンで起きた大地震と津波にかんする記述がある。 今回の地震によく準えられているようで、人と話していて確認したくなったのだが。 記述としては面白い。荒波…
へえー、この期に及んでまだこの人でいいんだー、みんなって。 震災直後、しかも選挙を目前にした時期にこの人がくり広げた(信じがたい/いつも通りの)さまざまな暴言に、ああポピュリストのこの人ももう時代の空気が読めないのだな、老いぼれたなと思った…
然し廃墟に生き残り、何か抱負を持っていたかと云えば、私はただ生き残ること以外の何の目算もなかったのだ。予想し得ぬ新世界への不思議な再生。その好奇心は私の一生の最も新鮮なものであり、その奇怪な鮮度に対する代償としても東京にとどまることを賭け…
現在進行中の原発事故を前にしながら「識者」たちから発せられる楽観的なコメントの根拠はどこから来るのか。 昨日の朝日新聞に載っていた小宮山宏前東大総長のインタビュー(「科学技術は負けない」)記事を読み、あらためて感慨を持つ。 「私は押さえ込め…
エドゥアール・グリッサンが亡くなって2ヵ月近く経った。 死去後に出された中身の濃い追悼記事の数々に目をとおしていて、これらをまとめて訳したら日本であまり知られていない作家の像と思想が理解されやすいのではないか、これから作家を知るいい機会とな…
早稲田大学の新学期授業は、ゴールデンウイーク明けの5月6日から。 他の大学は、4月後半からになったところ、まだ未決定のところ、いろいろだ。 マンモス大学だと日本中から学生が集まり、当然被災地の出身者も多いだろうから、しかたない措置なのだろう。 …
3月11日以前と以後とで世界がまったく変わってしまい、言葉をうしなった。 本州が230センチぐらい移動したことでも、その変化ははっきり刻印されているけど。 戦争ってこういうことなのか、人生初めて体験した。 それにしても、つくづく核とは切っても切れな…
飛翔する花粉のせいなのか、なんだかひどく退嬰的な感じでどうしようもない。 Gyao!の無料視聴でついアニメ『ベルサイユのばら』を(ついでに『妖怪人間ベム』まで)見たら、すっかり小学6年生の気持ちに戻ってしまった。 思えば、アッサンブレ・ナシオナル…
厳密にいえば申告が終わったのでなく書き終わったのだが、ようやくすっとした。 去年は2世帯分やったので、キーッと頭を掻き毟りながらももっと早いうちに済ませてしまった。 今年は自分の分のみなので楽だとタカをくくっていたけれど、毎年のことながらこの…
年が明けるとあっという間に1月が終わるが、2月に入った時はまだ年始だという気持ちでいる。 だけど2月は短すぎて、すぐ3月の年度が終わり、ああ今年も4分の1終わってしまったと愕然とする。 4月から7月までの学期中は猛然と走り続ける綱渡りの日々…
今日の映画の会は私がモデレーターにつき、カリブ海地域、特にフランス語圏をめぐる作品をいくつか用意しました。 1、ロバート・フラハティRobert Flahertyの『ルイジアナ物語』Louisiana Story(1948,U.S.A) 2、マヤ・デレンMaya Derenの『神聖騎士』Divin…
物心ついた頃から知る最後の独裁者失脚の時が近づいている。 私の時事的なものへの目覚めは早かったから、相当に昔から知っている有名人である。 自分にとって、キムジョンイルはもちろん、ムバラクなどは全然最近の人だった。 あの頃、カダフィ大佐(あの頃…
クリント・イーストウッドの映画(主演もしくは監督・主演)を三本もぶっ続けで観てしまう。 『荒鷲の要塞』(Where Eagles Dare 1968)、『センチメンタル・アドヴェンチャー』(Honkytonk man, 1982)、『ペイル・ライダー』(Pale Rider, 1985)の三本。 イー…
最近、外での一日仕事は、手作りのお弁当で心身のストレスを乗り切っている。 昨日用意したのは、 出汁巻き卵 かぶの葉と油揚げとなめこのさっと煮 岸本葉子さんのレシピをアレンジしたかぶの甘酢(黒酢)漬け もやしのXO醤炒め かぼちゃのコンソメ煮 塩じ…
それにしても、先月末からかれこれ300通以上も中傷メールが届いている。 ・ 最近はたいていどこの大学も独自に成績管理やメール送受信をするのためのソフトがあり、私も5つぐらいのアドレスを使い分けている。 これがファイルのやり取りにひと手間あったり…
仕事――それじたい小説を読むことだが――の息抜きに読んでいると、なんとも心地いい。 まして今夜は雪だし。 ・ 時間の伸びひろがり、現在に混入してくる過去というような時間のことが、やはり私は好きだし、いつも感じ考えてしまうのだ。 それってちっぽけな…
2月3日、鬼子母神で播かれた福豆を食べながら、グリッサンを偲んで。
昨夜放映のNHK「ホットスポット 最後の楽園」は、ブラジル北東部に位置する世界最古の熱帯草原、セラードがテーマ。 さまざまな生き物の生態を面白く観る。 ・ ここに生きるタテガミオオカミは草食で、寄生虫をくだすためにロベイラという苦味の強い、丸い大…
アニエスbがグリッサンへのオマージュとして、2003年のベネツィア・ビエンナーレの折り、撮影したビデオを再公開しています。 http://europe.agnesb.com/en/bside/section/about-agnes/from-the-beginning/edouard-glissant-disappeared-today-february-3rd-…
本日午前5時45分(日本時間午後2時45分)、パリ15区の病院で死去。 享年82歳。 ・ 知人からの速報で知りましたが、まだフランスの大メディアには出ていないようです。 ツイッターにはいくつかフランス語とスペイン語で書きこみがありました。 (ので、私も日…
時間刻みでさまざまなテキストを読んでいる。 義務もあれば欲求もあって、それはもうさまざまに。 さきほど近所の本屋で山田風太郎の本をもとめるついでに、つい元指導教授の姪御さんの小説も、そこまで世間にいいと言われると読んでみたくなり、買ってきた…
しかしトヨザキ社長の「芥川賞妄想選考会」はすごい。 10人の選考委員それぞれの声音を使い分けて、ほんとに声が聞こえてくるよう、というか、全員の声は知らないから、活字の字面が見えてくるようだ。 プルーストのパスティーシュも顔負け。 やっぱりこの人…
20世紀後半のハイチにおいて、父を継いで二代にわたり独裁政治を続けた後、フランスに亡命していた「ベビー・ドック」こと、ジャン=クロード・デュバリエ元大統領が25年ぶりにハイチの土を踏んだ。 秘密警察トントン・マクートを指揮し、反乱分子どころか手…
初めての試み、クラス対抗プレゼン大会が終わる。 どうなることかというくらい、二チームともメンタル・実力ともに低いレベルからスタートして、冬休み中、文章も構成も何度も書きなおさせては修正のメールやりとり、時にお尻叩きを経て迎えた本番。 完璧に…
これまでの10月から12月へ、ってセコすぎる。 3年生の後期始まりからだったのが、後期後半になっただけではないか。 しかも採用そのものは4年生の4月と、これまでと変わらず。 就活なんて、本来大学生活の最後の最後でいいはずだ。 ・ 就職への危機感から、…
今日と明日の二日間だけだそうですが、大地震一周年ということでイベントがあるようです。 ・ 2011年1月11日(火)12:00〜16:30pm、12日(水) 9:30〜16:00pm 開催場所 憲政記念館 丸ノ内線・千代田線 国会議事堂前駅下車 2番出口から徒歩7分 有楽町線・半蔵…
風邪ひきの枕辺にあった一冊。 これだけいろいろ紹介されていると、旅の本のガイドブックとして楽しめる。 読んだことのあるものも、持っているけど読んでいないものも、知らなかったけど面白そうなものも。 ・ 世の中すでに面白い本が読みきれないほどたく…
フランス語圏の映画の授業をやろうと思って、今あれこれ並びを考えている。 アメリカ合衆国のドキュメンタリー作家、ロバート・フラハティの1948年作品、Louisiana Story(『ルイジアナ物語』)は取り上げるつもり。 ルイジアナのバイユー岸辺に住むアカディ…
今年の目標 「踊る時は女らしく、人との関係は男気で」 ・ 「男気」に性別は関係ないと思うのだが、いったい他に同義語はないのか! それにしても年々、これが必要だと思う気持ちが強くなる。 万年権力とは無縁のnorahながら、やはり社会的に大人になりつつ…
誕生日(21日)あたりから年末までの間に寝込んでしまうが毎年の定番になっているのは、自分の脳に12月の終わりがひとつの〆、区切りだと刷り込まれているということだろうか。 昨日から高熱が出てぐったりだけど、いちおう回顧をやりたい。 今年はやたらと…