光るアリ塚

昨夜放映のNHKホットスポット 最後の楽園」は、ブラジル北東部に位置する世界最古の熱帯草原、セラードがテーマ。
さまざまな生き物の生態を面白く観る。

ここに生きるタテガミオオカミは草食で、寄生虫をくだすためにロベイラという苦味の強い、丸い大きな果実を食す。
彼らは地面より高いところで糞をする習性があるのだが、うってつけな場所がハキリアリの小高くなった巣の上だ。
別名「農業をするアリ」とも呼ばれるハキリアリは、なんと巣のなかでキノコを育てており、その養分にとロベイラの種を含んだ糞をせっせと運びこむ。
その結果、キノコとともに巣の内側に、はたまた巣の外側にも、見事なロベイラの木が育ってゆく。
それをまた、タテガミオオカミが餌にする。
なんとも面白いこの循環。

そして番組のクライマックスは、草原に点在し、夜闇のなか、幻想的な光を放つシロアリのアリ塚。
低木ほどの高さがあるアリ塚から出る光の正体は、ヒカリコメツキムシの幼虫(芋虫)だった。
尾だけを光らせる蛍と違って、全身から緑の光を発するのが美しいが、同時にいかにも栄養価が高く美味しそうでもある。
こうして光を放って、呼び寄せた羽アリを捕食するのだそうだ。

エマス国立公園内にあるこの地域は、地球でもっとも古く、一億年以上地面の移動が見られないという。
それゆえの独特の生態系だ。
はー、行って見てみたい、アリ塚が光に浮かび上がる暗闇のセラード。

この番組はNHKとフランス5が共同で制作しているようだ。
前回はマダガスカル、次回3月はニュージーランドで企画内容も充実しているが、最近突然ファンになった福山雅治がナビゲーターなので二倍見ごたえがある。
別に竜馬伝で好きになったのではない。
少し前、若い頃やっていたというソフトボールの投球を偶然見たのだ。
その一瞬にみなぎる気力、スピード、まっすぐさに……惚れた。
やはりただ者ではないと思う。