2007-01-01から1年間の記事一覧

ナイアガラのにごりワイン

栃木の渡邊葡萄園から届いたできたてのにごりワインを飲む。 鼻腔いっぱいの葡萄の香り、微発砲で爽やかな、信じられないくらいの美味しさ! ここのナイアガラの白ワインが大好きで、前から贔屓にしているけれど、短い期間で終わってしまうにごりの時期には…

東京フィルメックス映画祭、ミケランジュ・ケイ『食べよ、これが我が体なり』(2006)

いろいろ象徴に満ちた作品だが(たぶん皆そこを語るのだろうが)、何より冒頭の空撮が圧巻。 あの長さ、そして適度なスピードで見せるハイチの俯瞰図はすばらしい。 鏡のようなカリブ海と波打ち際、赤茶けたトタン屋根のバラック群、残酷にえぐれて白い山肌…

ガス炊きご飯、パン、ポインセチア

友人から教わったとおり、ガスでご飯を炊いてみる。 研いだお米をザルに上げて浸水させた後、ふつうのお鍋(うちのはティファール)に二割り増しのお水を入れて蓋をし、数分間弱火でとろとろ(ぷつぷついってきた後3分ぐらい)、それから少し弱めた強火で10…

モーリス・ベジャール死去

22日、スイス・ローザンヌで振付家モーリス・ベジャールが亡くなる。80歳。 偉大だが、個人的には必ずしも入れ込んでいたコレオグラファーではなかった。 でももしかしたら、これまで見たバレエの中でもっとも多くを占めているのがベジャール作品ではないだ…

学問生活

ここのところの学問生活は、一喜一憂どころか一喜三憂ぐらいの感じだけれど、久しぶりに喜が回ってきて少しだけほっとする。 しかしひとつ関門を越えても、引き続き緊張にさらされる。 こんなこと、現役のまだ歳若い諸君たちがよくがんばってくぐり抜けてい…

『トロピック』の重み、ジャークチキン

胃が痛く、背中も妙に痛いので、これは何か来るぞ来るぞと身がまえる。 そういえば数日来、風邪っぴき数人と同席している。 義務の読書2冊を寝ころんでしようと思うが、この重さ、この巨大さ、非力な私にはとても無理。 ちなみに『トロピック』リプリント版…

『ロビンソン漂流記』

かねてからいっている通り、学生時代から今まで、私が最も評価している映画監督はルイス・ブニュエルなのだが、普段多くの作品に関して意見の一致を見る若者さえ「寝そうになった」といったので驚いた。 そうお? 私なんか、いろんな場面からずいぶん創作の…

フィギュア・スケートGPシリーズ、エリック・ボンパール杯

浅田真央、トータル得点179,80で優勝。 練習では跳べていたトリプルアクセルを本番で成功させることはかくも難しい。 伊藤みどりはこの年頃もっと跳べていたと思ってしまうけれど、真央は年齢が若いのに対して、周りの期待が高すぎるのがかわいそうでもある…

わが自由の幻想

売れっ子でも専任でもないのに、なぜこうテンテコマイなのだろう。 家で確認する時間がないからと思って、大学図書館にたまたまあったルイス・ブニュエルの『映画、わが自由の幻想』を久しぶりにめくっていたら、その場で思わず吹き出してしまう。 「わたし…

ハイチ移民監督、ミケランジュ・ケイ

間もなく開催される東京フィルメックス映画祭において、ニューヨーク生まれのハイチ系アメリカ人監督、ミケランジュ・ケイ(Michelange Quay)の『食べよ、これは我が体なり』(Eat, for this is my body, ハイチ/2007/105分)が上演される。 2004年、16分…

MoMAのマフラー、赤、ソル・フアナ

懐かしい気持ちで土佐堀川沿いをそぞろ歩いていたら、7年ぐらい前になくしたマフラーに出会って小さな驚き。 修論を出す直前は氷点下の土地にいたのだが、日々朦朧としていたため町なかでマフラーを三本も落とし、最後には巻くものがなくなった。 中でも惜し…

フィギュア・スケートGPシリーズ中国大会

今年のGPシリーズももう三戦目だが、胸のすくような演技というのをまだ見ていない。 その中では、トータルで180点台に乗せたキム・ヨナの今日の演技が一番よかった。 流れがあって、体のかたちがきれいという意味で。 パールスピンが十八番の14歳、キャロラ…

新宿区ヘレマコノン

粗っぽい態度を改め、少し神経質にピリピリするぐらいの緊張感で臨むべきなのだと思っていたら、本当にピリピリし過ぎてしまい、過呼吸気味になり、腕だけでなく胃まで痛くなってきた。 緊張と痛みをとってもらうため、週に二度も鍼灸に行くという贅沢をして…

小沢一郎民主党代表辞任

不思議な人だ。 頭がよく政策もあるのに、何か大きな欠落がある。 給油には反対しながら、ISAFに自衛隊を出すべきなどと言い出した頃から、またこの人こだわり過ぎてズレてきたなと思っていた。 自分の原則を絶対視しすぎなのだろう。 そのためには手続き無…

小沢一郎って…

「人間嫌い」は必ずしも政治家にありえない資質ではないだろう。 その意味するところが「人を人とも思わない」なのであれば(小泉純一郎や小池百合子)。 徒党ができると背きたくなる、自分と(完全には)同じでない人間が怖い、人の輪から逃走したいって、…

口笛の特訓、図書館地獄

あまりにピリピリ緊張気味でいたところ、テレビで口笛のうまい何とかさんが見事な演奏を披露していたので、私も試しに練習してみる。 なかなかイケる。 うまく吹くコツとして、舌を歯の裏で上げ、口の中の空間を狭くすれば高音が出しやすく、逆に下げれば低…

パスカル

訳あって、パスカルの『パンセ』をほとんど全部読んだ。 …意外に面白くない。 ブレーズというのは、どのくらいよくある名前なのか。 サンドラールとパスカルしか知らないけど。 ・ この日記を英語に変換して読んでくれている人がいるようだ。 カリブ海文学に…

犬も歩けば…(証人喚問、勧進帳)

買い物に出かけたら、いつもは直進・素通りする道の入り口に警官がいて、ものものしい警護体制。 そこは○○○に通ったときと、友達と○○に行くときしか通ったことはないのだが、つい好奇心から曲がってみるとテレビ局のクルーが大挙していた。 もしや。 件の人…

スイス=ブラジル1924 ブレーズ・サンドラール、詩と友情

スイス生まれの詩人サンドラールの生誕120周年を記念してのイベント。 貴重な資料映像、詩の翻訳と朗読、ピアノ演奏(ヴィラ=ロボス、ミヨー、ジョビン)、手づくり本とすみずみまで丁寧で、この種の催しでは久しぶりに、ほんとによかった。 特に山口昌男翁…

鼻血の日

出勤前に突然鼻血がほとばしって慌てる。 一昨年、濃いチョコレートを食べ過ぎて以来である。 地下鉄でまた血が戻り、ティッシュをねじ込むスタイルも何だからと入り口だけティッシュで押さえつつ、黴菌だらけの駅構内で口呼吸はしたくないので、右の鼻の穴…

サルビアの丘

週末に歩いたところ。 サルビアの蜜、ずいぶん長らく舐めていない。

裏の小道

あかるい十三夜の昨日。 近所のタタミ屋のおばあちゃんと町内を半周。 雨の日も風の日も、裏の小道を行ったり来たりしているので知っている。 思いもかけない車道沿いであらぬ方へ渡ろうとしているのを見かけたので、一応声をかけてみたら、やっぱり帰り道が…

馬鹿とのつき合い

俺なんてどうせ馬鹿だからさー、という物言いは甘えだと思うので自分に禁じてきたけれど、時には俺は馬鹿だということをきびしく自覚すべきなのではないかと思うこともある。 先週来ショッキングなトラブルが続き、あまりの徒労感にしばし布団をかぶって泣い…

企画:フランス語圏カリブ映画祭

『ボルベール』を再び見る。やっぱりあの歌の場面いい。 コリーヌ・セローの『サン・ジャックへの道』を見る。 フランス側からピレネーを越え、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう道の風景を見たかったから。 もっとドキュメンタリー映画っぽい作…

せんせい呼ばわり

今日はpetitという形容詞の意味を学生がわからなかったので、「プチ整形のプチ、プチ家出のプチはこれだよ」と説明した後、犬の「ポチ」はpetitという語がアメリカに入って「プーチ」になり、それがまたまた日本に入って「ポチ」になったんだそうだといった…

論文、鍼、手相

新たに論文提出。 来月もうひと仕事、そして年初ぐらいを目処にもう一本書きたいな。 というか、書かなければ。 ・ 論文執筆で疲れ果てた体と傷ついた心を癒しに鍼灸治療を受けに行くと(嘘。この週末はよく遊んだ)、今日は狭いほうの治療室だったので隣の会…

十月大歌舞伎:怪談牡丹燈籠、奴道成寺

誘われ、ミーハー気分で歌舞伎座へ。 まるで詳しくないけれど、せっかくだから美しいもの見て教養でも高めましょうというスタンスだったのだが、これが思いがけず楽しかった! 歌舞伎の怪談って、あの大劇場で大勢で見て怖いはずもなかろうし、どうやって趣…

グロワ島嶼映画祭

ブルターニュの西側、大西洋に浮かんだグロワ島という島があり、そこで毎年8月、こんなドキュメンタリー映画祭をやっていることを知る。 http://www.filminsulaire.com/ 戦間期にパリ郊外で文学サロンを開いて「黒人世界評論」を発刊し、ラングストン・ヒュ…

ターナーとギルロイ

明日はたぶんギルロイ講演に行くと思うから『ブラック・アトランティック』を予習。 http://www.wako.ac.jp/index.html 前途中でやめていたのをもう一度初めから。 サイコロ状の本、明日までに読み終わりようもない。 これは途中から黒人の生み出した音楽の…

書評の不思議

去年某雑誌に書評を書いた本の出版元から、PR誌に使いたいといって転載許可を求められた。 …別にいいけど、あれでいいんですか? 当時、頼まれたものは断らないというスタンスでいたので引き受けたのだが、読んでみたら内容としてのまとまりも、著者の世界に…