2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ウチダ先生の引用から…

内田樹先生が、私が前々から思っていた以下のようなことをいっている: 『冬ソナ』はユジン(チェ・ジウ)になりきってミニョン(ペ・ヨンジュン)に恋をするという心理設定で見ないと意味がわからないという話をする。 現代日本の一般男性は「少女の身にな…

さようなら、伊東敏恵さん!

テレビ番組改編の季節。 NHKニュースウォッチ9では、今夜を最後に伊東敏恵キャスターが交替となる。 ・ 柳沢キャスターがいた最初の頃の、ふたり揃ってまるで地味ながらも落ち着いた姿、柳沢キャスターが病気になってからの、ひとり毅然と仕切っている姿………

中上健次と淀川長治

人と話していたら、中上健次の小説はDV的な暴力が出てくるところが好きではないといわれてハッとする。 他のサーガ系作家たちと比べ、中上というのは断然両性具有的なエクリチュールをもつ人で、だから偉いというのが長年の私の見解で、暴力のことなどあま…

女湯での思索

公衆浴場の女湯にいると、今って江戸時代だっけ?と錯覚してしまいそうになる。 素っ裸の女たちのこの姦しい感じ、無防備ながらたくましい感じ、世代によらずあまりによく似ていて(等しく胸の位置が低く、くびれの少ない)ついつい単一民族神話に陥りそうな…

ジニー、カワユス

目下のアイドル、Jeannie Sukはハーヴァード・ロースクール准教授(専門は刑法と家族法)。 そして主著はなぜか、 Postcolonial Paradoxes in French Caribbean Writing : Césaire, Glissant, Condé (Oxford University Press 2001) ・ ソウル生まれのアメリ…

ピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団「パレルモ、パレルモ」テアトロ・ジーリオ・ショウワ

高さ5m幅14mの巨大な壁。舞い上がるサハラ砂漠のような赤い砂嵐。1920年代製の6台のピアノ(制作ノートより)。 ・ うーん、一番気に入ったのは、天井から赤茶色の砂がざざっ、ざざっと断続的に落ちてくるところ、かな… ・ 1989年12月初演。 天安門事件、…

ポキ

新玉ねぎの季節だし、赤身のぶつ切りが安く出ていたので、久しぶりにアヒのポキを作る。 材料はマグロ、ごま油、わさび、しょうゆ、玉ねぎのみじん切り。 喉が痛いので唐辛子類はなし。 ウエストを気にして控えているのに、これがあるとビールが進む。 とこ…

病気の季節

昨日、同年齢の友人が受けた大手術を気にかけていたら、その友人につき添っている夢を見た。 ハワイで4,50年代に作られたという、こけしめいた素朴な人形がその夢のモチーフになっていて、細かに異なるいろいろなヴァージョンがあり、デッドストックものが最…

分断と接続

大学院で雑誌を創刊した折り、助っ人を探していたことがある。 はじめに思い浮かぶ人物がいたのだが連絡がうまく取れず、急いでいたので、切れていた過去の人脈をつなぎ、二番目の候補にあたってみる。 幸いにも快く承諾してくれ、大いに助かった。 ・ もう…

電柱とヴィヴィアン・ウエストウッド

春の雨。 ベランダの向こうには六本もの電柱がひしめき合い、電線をからめ合っているけれど、このいかにも東京的な醜さをじつはあまり醜いと思っていない。 夏のあいだ、ゴーヤの葉越しに見る電柱もいいし、今日みたいな日、電線にしずくがきらめいているの…

カタカナ英語発音

先週の朝日新聞で、脳研究の池谷裕二氏が通じるカタカナ英語発音についての提言をしていて面白かったので、ホームページを見てみる(http://gaya.jp/eng/)。 東大の准教授でコロンビアで研究員をしていたというから、もともとすごく英語のできる人なのかと思…

石原都知事と新銀行東京

新銀行東京の経営難にのぞむ石原慎太郎を見ていると、日本の家父長制などしょせんは西欧からの借り物、機能なんかしてないのだというかねてからの持論がますます確信となる。 西欧の、特に英米圏とかユダヤ系の家父長制っていうのは、リーダーとしての強いお…

ワンくんの水泳教室

汝の文体を耕せ

日本語の文体をめぐり激論を交わす。 友達の尊敬する思想家先生の文章にケチをつけたうえ、いくつも例を挙げて添削までしてしまったのだ(ひどい)。 議論は悪文とは何かから、リズムの不安定、漢文調の文体と性差の問題まで、いろいろに発展。 うるさくって…

物見遊山の暇はないの

鎌倉は崖だらけの土地。 気がつけば、いたるところ削れた岩肌がのぞいて見えるのが面白い。 遊歩道の散歩のつもりで大仏ハイキングコースを歩いて、源氏山が実はけっこう本格的な山だったことを知る。 もはや買い換えられないので大事にしていた旧定番の二足…

ささやかな発見

いま現在住んではいないが、私はつねに団地の引力を受けており、団地関連の記事などもつい熱心に読んでしまう。 先日朝日新聞「私の視点」欄に、公団住宅の供給減少と住人の高齢化に比しての家賃高騰の実態を危惧する「公団住宅 削減計画を中止せよ」という…

クリストファー・ノーラン『メメント』(2000米)

野暮用をいくつか片づけ、すっきり気分で『メメント』を観る。 話題になっていた頃、熱心に感想を話す友人の話の内容に触発され、『メメント●●●●[漢字四字で人名が入る]』という映画のシナリオを考えた。 あまりの健忘症ぶりに呆然とさせられていた身近なあ…

語学やり直し中

私はある時期、後藤明生を愛読していたが、後藤を偏愛してしまう大きな理由として、どの小説にもどのエッセイにも、異常なほど同じことばかりが書いてあるということが挙げられる(しかも小説もエッセイもまったく同じ文体)。 くり返し書かれている「同じこ…