分断と接続

大学院で雑誌を創刊した折り、助っ人を探していたことがある。
はじめに思い浮かぶ人物がいたのだが連絡がうまく取れず、急いでいたので、切れていた過去の人脈をつなぎ、二番目の候補にあたってみる。
幸いにも快く承諾してくれ、大いに助かった。

もう何年も前のことだが、そのひとつの再会をきっかけに、今の自分の近くで、といっても私とは直接つながりなく、その元同僚がかかわる仕事が何かしら続いている。
たまたま彼が当時つきあいのあったデザイナーも私たちのプロジェクトに興味を示し、そちらとのつながりも始まった。
一昨日、大学院の後輩からその元同僚が立ち上げた事務所でバイトをしていることを知らされ、へーっと思った。
もう創刊の頃のことも知らない若い学生だ。

自分自身にかんしては、このことで人生がこう開けたというような「運命の出会い」はないのだけれど、ちょっと不思議な感じがする。
あの時、一番目に私が思いついた候補と話せていれば、こういう展開にはなっていなかったはず。
デザイナー先生とのつながりもなかったはずだ。

自分の人生で(というのもオーバーだが)、その同僚とともに働いていた時間と今現在の大学院の時間は、奴隷貿易が始まった頃のアフリカと植民地時代を間にはさんだ独立後のアフリカぐらい、別の時間によって分断されているものだから(というのも変なたとえだが)、なんだか折々に彼が身近に現れると、時間が混乱し同時に現れたような非現実というか、目眩のような感覚がある。

それより喉が焼けるように痛い。
今回はもうやめようかと思っていたピナ・バウシュをやっぱり観に行くことにしたので、週末まで何としても寝込まないようにしないといけない。
紅茶が沁みるため、特製のハーブティーを作ってみる。
お局院生御用達の自然食品店、piyokoで買ったリラックス・ローズ(薔薇、ラズベリー、それに菩提樹?)にミントとスライスした生姜をプラス。
さらにマオリ族が風邪の時に舐めるというはちみつ「サザン・ラタ」を溶かして飲む。
新年以降いろいろ買い物した中で、ナショナルの吸入器は大活躍。