ジニー、カワユス

目下のアイドル、Jeannie Sukはハーヴァード・ロースクール准教授(専門は刑法と家族法)。
そして主著はなぜか、
Postcolonial Paradoxes in French Caribbean Writing : Césaire, Glissant, Condé
(Oxford University Press 2001)

ソウル生まれのアメリカ育ち。
1995年にイェール大学卒業(文学)、1999年にオックスフォード大学PhD、2002年にハーヴァードでJ.D。
同じくハーヴァードのロースクール教授、Noah feldmanとの間に子供がふたり。
カップルの両親4人のうち3人が博士号保持者。
現在30代半ばぐらい(たぶん)、しかもかわいい
http://www.law.harvard.edu/faculty/directory/facdir.php?id=690
いったいどうすればそうなれるんですか、ジニー先生!?

上記の本は、「帰還」returnをキーワードにアンティユのフランス語圏文学を論じた研究書。
先行研究というのはちゃんと読んで論文の最初に触れておかないといろいろいわれるけど、細々読むのに労が多いわりには、研究蓄積の浅い分野であるせいなのか違うのか、別になんだかな〜と思うことのほうが多いのだが、そんな中にあり、面白いかは別にして「明晰!」と思ったのが本書だった。
スピヴァクやホミ・バーバのポストコロニアル理論を援用しながら、セゼールやグリッサン、コンデのテキストを論じていくさまはいかにも華麗。
そして察するに、ジニー先生がこれを書いたのは20代の終わりか30歳頃である。

多方面に才能がありすぎて、今はアンティユ文学はやっていない様子のジニー。
一年ほど前、ウォール・ストリート・ジャーナルにJapan's Unconfortable Historyという記事を寄稿している(たぶん、従軍慰安婦問題)。
機会があったら読んでみよっと。

いや、別にこうなりたいとかいうわけではないのだが(というか人生の目標にするにも向こうのほうが年下だし)、この、「人生、最短スピードで何もかも手に入れてる」感についくらくらしてしまって…