映画

ウスマン・センベーヌ『モーラーデ』(フランス・セネガル合作、2004年)

東京国際女性映画祭にて上映。セネガルのイスラム系部族に残る女子割礼(陰核切除)をテーマとしている。 6歳から8歳ぐらいとおぼしき女の子たち4人がコレの家に逃げてくる。陰核切除の手術をいやがったため。女の子たちは集団で切除をほどこす赤い衣の女たち…

ダニエル・ブルマン『僕と未来とブエノスアイレス』

ブエノスアイレスのガレリア(商店街)を舞台にした商店主たちのドラマ。主役は『ウイスキー』でちょい役だったダニエル・エンドレールで、ユダヤ系ポーランド移民を祖父母にもち、ヨーロッパに渡りたいと考える青年を演じている。ポーランドをろくに知らない…

有楽町朝日ホール「ドイツ時代のラングとムルナウ」映画祭

気を取り直して映画。1920年代に撮影されたムルナウの作品三本を観る。『吸血鬼ノスフェラトゥ』『ファントム』『ファウスト』。『ファントム』はやや退屈だったが、怪奇もの二作は面白かった。ノスフェラトゥ、『ファウスト』のメフィスト、ともに異様な風…

カルロス・カレラ『アマロ神父の罪』、ペドロ・アルモドバル『バッド・エデュケーション』

台風のなか、ガエル・ガルシア・ベルナルの二本立てを観る。アルモドバルは、あまり多くの人から「今回のは全然だめ」と聞かされていたので、かえって面白く観られた。胸にぐっと来ることはないけれど、結構よくできているではないか。といって思い返しても…

ウェス・アンダーソン『ライフ・アクアティック』

男の子趣味満載の、すみずみまで楽しめる額縁マリン映画。ベラフォンテ号船倉の観察室で寝てみたい。丸い窓の向こうをキッチュなピンクの小魚の群れが通り過ぎる。その後に巨大なジャガー・ザメが姿を現す。探索係のイルカたちは馬鹿なので指令を理解できな…

テオ・アンゲロプロス『エレニの旅』

最終日に何とか間に合った。最近こんなことばかり。でもやはり劇場で観てよかった。卵色に照らされた劇場のバルコン席にたくさんの家族が暮らしているというのがいい。うって変わって白いシーツが一面にたなびく「白布の丘」。水に埋もれる村。弔いも筏に乗…

ステファニー・ブラック『ジャマイカ 楽園の真実』

原題はLife and Debt。元首相やIMF幹部、工員や農民などのインタビューで構成されたドキュメンタリー映画で、ジャマイカの、というよりカリブ海諸国の農業問題、IMFとの関わりなどがよくわかり、興味深かった(7月16日より渋谷のアップリンク・ファクトリーで…

セドリック・クラピッシュ『ロシアン・ドールズ(スパニッシュ・アパートメント2)』

試写で観る。いつも通り、主役のグザビエはロマン・デュリス、元恋人がオドレイ・トトゥ。ロマン・デュリスのインタビューを読んでいて気づいたのだが、そうか、デュリスのグザビエというのは、ジャン・ピエール・レオー演じるアントワーヌ・ドワネルなんだ…

BSでやっていたニュージーランド映画『クジラの島の少女』(ニキ・カーロ監督)を途中から観て感動した。女の子であるため部族の伝統を受け継がせてもらえず、祖父から疎まれるパイケア(ケイシャ・キャッスル・ヒューズ)が魅力的。 パイケアが巨大な鯨にま…

ドミニク・モル『レミング』

近いから、また試写に行ってしまう。シャルロット・ゲンズブール、シャーロット・ランプリング、ローラン・リュカらの演じるサイコ・サスペンス。何年も前、ワシントンの映画館でアメリカ人の友人たちと観た『ハリー、見知らぬ友人』の監督作品だ。日常なの…

ジャン=ポール・サロメ『ルパン』、ジャック・ドゥミ『ロバと王女』

6月に横浜で行われるフランス映画祭出品作品の試写。翻訳の仕事の待ち時間、気分転換に観る。『ルパン』は秋に公開も決まっているエンターテインメント大作。ルパン役のロマン・デュリスはセドリック・クラピッシュの映画ではおなじみで、相変わらずいかがわ…