ここ何年か、5月・6月は大量の応募小説を読む季節。「自分の作品が人に読まれるとしたら」という対等な意識をもって読む可能性があるのは、まずこの段階の選考者だけだと思うので、ちゃんと読もうとは思うものの、今年はあまり気力が出ない。あと2週間で70本も読めるんだろうか。気が遠くなる。
それにしても30代の女性というのは、目眩がするほど同じ鬱屈、同じ大きな不安を抱えてる。都市部や一握りのインテリには解決済みとされる問題を、地方在住者や地道に働くOLたちはまだまだ悩んでいるようだ。その気分は私にはよくわかるけれど、そのままストレートに書いたって都会の編集者たちは鼻もひっかけてくれないんだよ、と言ってあげたい。
私自身の小説の嗜好というのも、最近ずいぶん変わった気がする。