『トト・ボナ・ロクア』

最近アマゾンで買ったCD『トト・ボナ・ロクア』をよく聴いている。普段は別々に活動している三人のミュージシャン、ジェラルド・トト(マルティニック)、リチャード・ボナカメルーン)、ロクア・カンザ(コンゴ)がパリでセッションしたアルバム。軽い感じの音楽だけど、ハーモニーがきれいな上、ところどころアフリカ的でもあり(「ナ・イェ」など)、聴いていて心地よい。
ジェラルド・トト単独の新しいアルバムもぜひ聴いてみたい。そう思って、前から気になっていた神楽坂の大洋レコードに行ってみた。入り口にはヴァリエテ・フランセーズと書いてあったが、入ってみるとサンバ、ボサノヴァなどブラジル系が中心とわかる。そしてピアソラなど少しのタンゴ。中南米のCDの他、なぜか能面も売っている。見ているだけなのにお茶を出してくれたり、感じのよいお店だ。カーボ・ヴェルデの歌手、マリオ・ルシオの歌を勧められ、聴かせてくれた。買わなかったけど、なかなか素敵な声。
最近はフランスのラップも聴いてみたいと思っている。これはいい音楽が聴きたいという純粋な動機ではなくて、フランス郊外の若者が歌う歌詞に興味があるから。正直いってラップをいいなと思ったことはなかったのだが、陣野俊史の『フランス暴動』や現代思想の「暴動」特集号のいくつかの論文を読んでいて聴いてみたくなった。ヤニック・ノアとディジ・ラ・ペストの「混血」など、面白い歌詞が多い。原語にあたりたいと思って調べてみると、paroles.netなどに結構歌詞が載っている。でもちゃんと音とリズムに乗ったところを聴いてみたい。とりあえずツタヤなどには全然置いてなかった。
ところでドトールの系列店でお茶を飲んでいたら、奥の席にいたおっちゃん風の人が突然わんわん泣き出し、店を出て行った。何があったのだろうか。想像が膨らみ、胸が締めつけられる。桜はもう三分咲きぐらいになっている。