それでも私は五輪を観る(4)

3メートル飛び板飛び込み男子決勝。
あまり人気がないので夜中に編集した録画でしかやってくれないが、飛び込み競技が大好きだ。
競技じたいも、あの独特な、目眩のするような空間も魅力的。
深い水に満ちていて、さまざまな高さ――恐ろしい高さ――に台があって、すごく孤絶した雰囲気なのに、はっと気がつけば高いところまで観衆に囲まれているあの空間。
強く跳ね上がり、観客席の真ん中辺まで飛んで、回転やひねり技を連続して、ほんのわずかなスプラッシュを上げながら着水して、水底に深く潜って、天井のあかるい白い光を見ながら上ってくるまでの一連の動作は、全部が面白い。
張りつめた動きと深い静寂、そして突然気づかれる音(歓声)が同時にそこにある。
一度、辰巳競技場あたりで生で見てみたいと思うけれど、カメラを通してでないと水中のあの青さと静けさ、泡、水を介した天井のゆがんだあかるさまでは見ることができないだろう。

備忘録として。
何冲が難易度3,7の演技で優勝(前宙返り1回転にプラスしてひねり技複数回を完璧に決める、572,90)。
2位はカナダのアレクサンドル・デパティエ、3位は泰凱。
3位の中国の新鋭は、307c(前逆宙返り3回転半抱え込み型)を見事に決め、寺内健は同じ技に果敢に挑んだがうまく行かなかった。
大技らしいが、見ていて面白いのはえび型の姿勢(人が海老になる)、片腕で頭を押さえつけながらのひねりの姿勢だ。