5時から7時までのクレオ

事故のように不運や問題が重なりあう時というのが最近定期的にある。
日常の小さな楽しさに敏感になることで乗り切ろうとしているけど、何か根本的に星が悪いというか、いやそうではなく、根本的に動物として弱いのだという気がする。
「質の高い弱さ」というのは、確か堀江敏幸さんの言葉。
なんとかそういう方へ行きたいけれど。

煩わしいことがいやだからいいやつを、と嫌いな会社のお高いパソコンを買ったのに、電源の不具合でいきなり製品交換することに。
自分で買った場所へ行って新しいのと換えてこいとは、さすがパナソニックのいうことだ。
そうこうしているうち、古いノートは再びエウが出にくくなった。
今度は掃除機が効かない。
…というのは不運のうちの一番軽いできごと。

布団をかぶるのとヤケ酒とどっちにするかなと考えるが、人生先が長くないのでそういう時間の浪費すらする余裕がなく、ケルト占星術で占っておらおうとしたらネットのくせにお金を取るので(それだって時間の浪費では…)、アニエス・ヴァルダの『5時から7時あでのクレオ』を打ちしおれて鑑賞する。
ちょっと今日の自分にぴったりすぎてつらい。
(生まれてないけど)1961年のこの頃からすべてやり直したいなあ。
いいなあクレオは、しょんぼりしてたって自分を入れた作品世界全体は芸術なんだから。
映画の登場人物になりたいなあ。
アルジェリア帰還兵の青年が隣に現れないかなあ。
いや、実際、ちゃんと人の話を聞いて返してくれるのは結局男子ばっかりなんだ。
うわの空、移り気、とりとめのなさ、理性の欠如……そういう資質に正直閉口。
やっぱりロゴス中心主義が一番だよな!!!
と今日のところは強く思う。