突然の食欲:鶏のロースト、バターライス詰め

norah-m2007-12-27

今年最後の鍼。
胃痛の治療として、背中に「灸頭鍼」というすごいものをやってもらう。
胃と連動して、とりわけ凝って反応があるという背中のポイント5箇所に鍼をうつ。
その頭にもぐさを載せて燃やすのである(といっても私には何も見えないので、そう聞いただけ。自分の目で見たくてたまらなかった)。
燃えている火の照り返しを受け、皮膚がじわっと熱い。
めらめらと音がする。
5人の小さな魔女たちが背中のうえで杭に縛られ、火に炙られているみたい。
赤外線をつけているので、壁は真っ赤で黒ミサまがいの異様な雰囲気。

初め具合が悪くて口もきけなかったのが、終わる頃には由なしごとをしゃべり過ぎて喉が痛くなっている。
帰り道、歩きながら猛烈におなかが空いてきて、突然カツ丼とか焼肉が食べたくなったことに我ながら感動。
直前まで煮物ぐらいしか食べられなかったのに!
喜び募って、勢いで丸のままの鶏を一羽買い、ぶら下げて帰る。

お米を詰め込んだ、新たなオリジナル・レシピに挑戦です。
鶏の丸焼きというのは意外と簡単で、ポイントは塩を「多いかな」というぐらいに塗り込むこと。
体積が大きいので、普通の料理ぐらいの加減で塩をすると、薄味すぎてパンチがない。

1.セロリ、ニンジン、ニンニクのみじん切り、マッシュルームの薄切り、カシューナッツ、洗って少し置いたお米1カップをバターで炒める。
同量のスープを入れて塩で味つけ、ローリエ、クミン、ナツメグを加え、水分がなくなるまで火にかけ、冷ます。
2.鶏(1,5キロ)はお腹を洗って水気を拭き取り、外側も内側もじゅうぶんに塩をすり込む。鶏の表面にもクミンとナツメグ(私はクミン多め、ナツメグ少なめ)。
3.ご飯をお腹に詰める。お尻を必ず楊枝かタコ糸でとじること(焼いている時、中味が出てしまう)。表面にバターを塗っておく。
4.オーブンを230度にしておいて、鶏を入れ、周りにくず野菜やアルミ箔に包んだじゃがいもなどを置いて40分、200度に下げて40分。

この思いつきのレシピで、すごく美味しくできた。
面倒ならご飯など入れなくてもよい。スパイスも好きなものでよい。
塩をたっぷり塗って焼くだけで、手羽も股も切り身で買うより全然美味しくなるものである。
それで朝は、そぎ切りにした鶏と千切りキャベツにマヨネーズをかけ、食パンに載せて、サンドイッチにして食べた。
家族はハイナニーズ・チキン風に、そぎ切りの鶏に青ネギとショウガとお醤油をつけていた。
グラスゴーの食堂の娘である友人だったら、さらに骨からこそげ取ったくず肉を入れて、中華粥にして完結させるだろうけど、その場合はクミンやナツメグではなく、もっと大人しいスパイス(もしくはスパイスなし)にした方がいいだろう。