『グレート・ビギン』クロード・ニュリザニー、マリー・ブレンヌー、2004仏

「グレート・ビギン」でフランス映画っていうから、きっとカリブの知られざるドキュメンタリーなんだなと思ってケーブルテレビの番組を録画した。
アフリカ人のグリオが語りを始めるのでそのまま見ていたら、火山から溶岩が流れ、ヒトの精子卵子が結びつき……いつまで経っても音楽は始まらない。
そこではたと思い当たるが、ビギンってbeginだったんだ!(常識?)
グラン・ブルー』が『グレート・ブルー』になった例もあるから、てっきり原題はLa grande biguineなのかと思ってたら、Genesisだったのだ。
そういえば「ビギン・ザ・ビギン」って語呂合わせの曲もあるくらいだものね。

それで間違って録画したのだが、16年かけて撮影した映像というだけあり、接写される生き物たちがすばらしくて見入ってしまう。
砂地で出会う青い出目のムツゴロウ2匹とか(ムツゴロウなんて名前なのに外人だったのね)、ミニ恐竜のようなガラパゴスのイグアナとか、ゆらゆら交尾するタツノオトシゴとか、ポルトガルの陶器そっくりな蟹の決闘とか。
生命ってすばらしい(って私がいっても説得力がまるでないけれど)。

すんでのところでうちの蜂たちに刺されそうになった。
洗濯ものを取り込もうと掴んだとたん、強風で布地がふわーっと巣のほうに吹かれたのだ。
瞬間、5、6匹の蜂が憤然とこっちの方へ。
とっさにカーテンの裏に入り難を逃れる。
私はちょっと彼らを擬人化して考えてたと反省する。
何か危害を加えられたと判断した時、「ちっきしょう、よくもやりやがって、よーし」という「タメ」の時間があるように思っていたのである。
実際には条件反射。
これは蜂より怖いのだけど、鳩がいっせいに飛び立つのと同じだった。
蜂との共棲に慣れてしまって、ノースリーブに無帽だったのも反省。