ゴミを掃除するぞ

そういって北区の公園で寝ていた男性の腹にオイル入りの袋を乗せ、火を放った少年5人が逮捕された。
男性は炎に巻かれ、「殺される」と叫びながら、噴水に飛び込んだ。男性は大火傷を負い、現在も入院中。

この噴水、知ってる。
はるか昔、乳歯が抜け前歯がすかすかだった頃、訪れていた(この噴水の前で撮られたそういう写真がある)。
丸い池の真ん中に立ち上がる馬の像、周りを白鳥が取り囲む。
ベルサイユかシェーンブルンかといいたげな、これ見よがしの西洋式でありながら、朽ちて荒れ果てた廃墟の印象。
取り囲むのが寂しげな団地というところが何とも奇妙で好きだった。
地方にも郊外にもたぶん存在しない類いの、23区内の見捨てられた場所。
殺伐として恐ろしく奇妙な感じのするこの生地には愛着があり、時々ふらふら訪れてしまうのだが、この公園だけは再訪できたことがなかったのだ。
今日、ニュースの映像でやっと行き着くことができた。
しかし少年たちによるこの事件。
私がこの場所にもつイメージがますます色濃くなるばかりの凄惨な事件である。
少年たちの背景はまだ知れないが、ホームレスはゴミだから、社会の迷惑だから殺してもいいとして殺人未遂を犯した彼ら(十代の工員や高校生)の具体像を想像してみると、あまりに陰鬱な気持ちになる。

この付近でずっと以前に起こった別の事件のことも思い出す。
偶然同じ場所出身で同世代の編集者、大きなご病気をされていると聞いたけれど、回復してほしい。