レオン・イチャソ『苦い砂糖』

一昨日はA大学とその周辺の往復1万2000歩(しかも下駄で)。
昨日はB大学との往復4500歩。
地下鉄に乗らないと調子がいい。
ドミニカ共和国で撮影・制作された映画Azucar Amarga/Bitter Sugar(1996)を観る。
監督のレオン・イチャソはアメリカへの亡命キューバ人で、Pineroなどの作品で知られる。
Azucar Amargaだが、明快な反共精神に貫かれた恋愛映画。
映像・カットで語らせる場面は少ないものの、亡命を夢見ながら早死にした妻の8ミリフィルムが、老いぼれた夫(主人公の父)の背中に投影されるところなどがよかった。
しかしドミニカ共和国映画など初めて観た。
先週、今週とスペイン語の映画づくし。
キューバの発音というのは確かに「卵を口に入れてる」よう。
sが全部抜け落ちてるのも不思議な感じだった。

『ボルベール』がよかったので、いろんな人にしゃべりまくっている。
ペネロペ・クルスが紺色の下着を下ろしてオシッコをしながら鼻をくんくんさせ、これは死んだはずのお母さんのオナラの匂いだと気づく場面があって、いかにもアルモドバルらしい場面だし、ハリウッド映画のペネロペではありえないよなーと思うのだが、そう話したとたん「絶対この映画観る」と断言した男子がこれで2人も…。
エロチックな場面というより、オシッコとかウンチとかオナラとかそういう小学生男子レベルの要素がアルモドバルはどうしても好きなのである。しかも場面へのその挿入の仕方が絶妙だ。
ついでに言えば、冷凍庫に死体を隠しながら、近親相姦の傷に苦しみながら、無人レストランで起業して儲けちゃうというのも明るく逞しくてよかった。
美味しいモヒートを作るのがすばらしく上手な不法移民の隣人がペネロペにいうセリフ、「あなたの谷間と私の飲み物でこの界隈を活気づけましょうよ」が最高にいい。

この一週間、2年ぶりぐらいにサンセヴェリア(虎の尾)の花が咲いていた。
うすみどり色の細かな花が鈴なりにでき、たっぷり蜜をたたえて強い香りを放つ夜香花。
ずっと鼻が詰まっていて、一度も嗅ぐことができず。