富山行き列車内暴行事件、フランス大統領選、セルティック優勝

朝から気になるニュースがいくつも。
大阪発富山行きの列車内で、20代の女性が30分以上も暴行されるという事件。
車両には40人もの乗客がいて、事態は把握されていた。
呆然として俄かには信じられない。
40人それぞれの乗客は、普通に頭の動いている人間なのだろうか?
ここまでひどいことは想像もできなかったが、日本の外に出るとまずありえない、他人に対するここまでの無視という風潮は、この国ではしばしば感じてはいた。
大したことではないが、私も経験がある。
ずっと以前、あるスポーツジムの更衣室で突然貧血を起こし、床に顔面を強打してしばらく気絶していたのだが、何人もの人が周りにいながら、誰一人声をかけてくれなかった。
自力で意識を取り戻し、バスタオルを巻いただけの姿で鼻血を垂らしながら、衝撃で飛び出したコンタクトレンズを探し回っている間もずっとである。
(あの時は、20代ぐらいのOLたちって、幼くて冷たいなあという感想を持った。)
とばっちりの被害を恐れてという状況ならまだわかるが、そうではない。
他人の危機など目に入っても、脳で意味を結んでいないかのようだ。
ここまでうすら寒い「美しい国」があるだろうか。
長崎市長の事件の直後、「厳正な捜査を望む」という知性と情のみじんも感じられないコメントしかできなかった安倍首相は、この事件に何というだろうか?
大事件として話題にされるべき事件だと思う。

フランス大統領選第一回投票の結果が出る。
結果は大方の予想通りながら、投票率は84パーセントという高さ。
昨日の統一地方選投票率は知らないのだが、日本ではありえない数字だろう。
かくいう私も区議会選となると誰がいいのかよくわからなくて、まあでもこういう場合はいつもだけど、議会のバランスを考えるということで○○党の議員に入れておく。
選挙も列車の事件も、どこまで行っても恐ろしい無関心が広がっている。
ではいったい何に関心があるのか?
本屋とか100円ショップとかで、客の方ではなくまったくあらぬ方を向きながら「いらっしゃいませ、こんにちはー」と何度も明るくくり返している店員を見ると、いつも怖くてたまらない。

中村俊輔のゴールにより、スコットランドリーグでセルティックが優勝。
そのすばらしいシュートと観客が盛り上がる場面をニュースで見ただけだが、全部試合を見てみたかった。
セルティック・ファンという設定の若者二人を登場させた『明日へのチケット』という映画を見て以来、セルティック・ファンのイメージがいい。
本当にダサくて馬鹿で、それでいて好感が持てる。
ニュースで映ったサポーターも、こっちの思い込みかもしれないけど、そんな感じだった。
そういえば、あの映画は車内での人間模様を描いた作品だった。
それを日本でリアルに撮ったら恐怖映画になるね。
日本はセルティック・ファンでも大量に移民させた方がいいのではないか。
映画『電車男』の冒頭は、酔客にからまれてるエルメスを主人公が助ける場面だけれど、このDVDをアメリカに輸出したら、見る人の多くが「なぜ他の客は全員無視してるのか」と不思議に思うんだって。
日本ではこの通りだけど、多くの外国人はまずそう思うだろう。
確かに他人は他人だけれど、公共の場で知らない同士がちょっとした会話をする、アイコンタクトをするなどは、私が行ったことのある外国では普通のことだ。
変な酔っ払いとかを見て、知らない同士が目を丸くし合うとか、その服すてきねと言い合うとか。
まして本格的なトラブルがあったら、介入するのは当たり前のこと。
なぜ日本だけこうなんだろう。
他人はモノだとでも思ってるんだろうか。