世界フィギュア女子フリー、シンクロ・チームフリー

中村俊輔のアシストで巻のヘディング、続いて高原振り返ってのボレーシュートを見てから、フィギュア、続いてシンクロ、ああ忙しい(中村憲豪と俊輔ってほんとに他人なの?)。
浅田真央安藤美姫ともいい演技だったし、順当な結果だった。
安藤はショート、フリーともコントロールが効いていてすばらしく、本当にいい選手になったと思う。
とはいえやはり私はジャンプ主義者なので、4回転を封印したミキティよりほんとは真央ちゃんに勝ってもらいたかったかな?
真央ちゃんは安定感あるトリプルアクセルはじめ、会心の「チャルダッシュ」を見せてくれた(コンビネーションの2個目のトウループがシングルになったとはいえ全体としては)。
中間部のサーキュラーをストレートのシークエンスに変えた、進化したヴァージョンの「チャルダッシュ」。
これは要するにその分ステップの難度を上げるという意味なのだろうか?
とにかくジャンプは鋭く、動きは伸びやかで、全体に緩急と奥行きのある演技だったと思う。
(ところで真央ちゃんがよくいう「ノーミスする」って、すごく面白い日本語だよね。否定が込められた動詞なんだよね)
キム・ヨナの「あげひばり」プログラムは好きなので、今日はうまく行かずに残念。
ジュニアから上がってきたばかりの選手はえてしてフリーの4分間分スタミナがもたない(ジュニアのフリーは3分)。
その辺の男子より脚力がある真央は別として、キム・ヨナはどうも後半疲れてナヨっとするムキが(微妙な回文)。せっかくのエレガントなスケーティングが、最後は腰くだけのようになっていた。
それにしてもフジテレビ・アナウンサーの塩原恒夫よ、頼むから実況をやめてくれ。
「オリンピックの心の痛みと肩の痛みを乗り越えてぇ、いまっ、幕を開けるシェラ・ザード!」とか「ゲイシャ・ユカリが目で魅せる!」とか「離れていてもォ、心はひとつにつながっている!」とか、演歌ショーの始まりじゃないんだよ!
だいたいこの手のスポーツ番組では必ず、歳とったジャニーズのタレントが出てきてガチャガチャ仕切るという風潮もいただけないのだが、百歩譲って我慢するとして、フジのアナの軽薄さ、日本語のレベルの低さと競技の無理解、馬鹿げた盛り上げと悪趣味な演歌口調だけは許せない。
はっきりいって演技の邪魔である。こういう競技は音楽とセットなのだから音声を消すわけにもいかない。
中でもレベルの低い塩原アナには毎回本当に頭に来ている。
もう一度いう。やめてくれ。

シンクロ・チームフリーの感想。
スペインの「アフリカ」、やはり独創的で面白かった。
スペイン・チームのちょっと野蛮な感じすらするところと、ヘンテコな発想が好き。
黒豹になったメングアルなんて、顔とポーズを見てるだけで笑ってしまう。
あと、やっぱり中国のアクロバティックな造形はよかった。
特にソリストを除く全員が手脚で星型を組んで、その上をソリストが転げ回る動きがほんとに美しい。
プールサイドでの鳳凰のポーズもいい。
中国は北京五輪がピークになるよう、井村コーチのもとでどんどんすごいチームになっていくと思う。
カナダの空中馬とびリフトもすごかった。
アメリカのショービズ的洗練も、あれはあれでよい。
日本のシンクロ・チームはテクニックは軍隊調にすごいけど、こうした他国の発想の面白さを感じることがないんだよなー。