クリント・イーストウッド『ミリオンダラー・ベイビー』

準備しなければいけないことがいっぱいで時間との闘いをしている途中、東京12チャンネルをつけたら、吹き替えで『ミリオン・ダラー・ベイビー』(2004)をやっていて、つい全部見てしまう。
あまりに打ちのめされ、号泣。
たくさん読み進めなければいけないマルセル・モースの論文が読めなくなる。
何が悲しいって、トレーラーハウスで暮らすマギーの肥満した母親、妹、弟たちの、根っこのところまで腐りはてた貧しさが悲しい。
こういう人々は世界にたくさんいるのだと思う。
こうなってしまった人を前にしたら、どんなに努力してもたぶん関係を発展させることなどできないだろう。
それはそうと、吹き替えで12チャンとかで「洋画」を見るって、小学生の頃の無限に暇だった時間を思い出す。
父親の見ている隣で見るともなく見ていたジョン・ウェインものなどは結構楽しかった。
作品ごとの区別とかがなくて、頭のなかでひとつの世界になっている。