いっちゃん難儀なんは朗読

講義でテキスト断片いろいろを学生に朗読してもらっていて、「ほお」と感慨深く思ったのは、どれもこれも関西弁のイントネーションで読まれたこと。
あたりまえだけど。

中上健次が関西弁なのはいいというか、むしろそっちが正解だが、翻訳された外国文学が読まれるとなんだか不思議だ、ラテンアメリカ文学とかイギリス文学とか。
特にカタカナで書かれた外来語。
三文字の言葉は二番目の音にアクセントがくる。
「ハワイ」は東京弁の「ハワイ」より英語の「ハワイ」に近い(英語と違って母音を強くひきずるけど)。
「ハワイ」はいいとして「カリブ」も二番目アクセントだ。
ネイティブによれば、そこまでやるのは相当ベタベタな人とのことだが、つまりみんなベタベタだったというわけか。

私は自称関西弁がうまくて、日常会話の模倣・再現はけっこうできると思ってる。
大阪を歩いていて道を聞かれれば大阪弁で答える。
(私は本当によく人に道を聞かれて、東京ならまだしもアメリカでもフランスでも関西でも聞かれる。きっといい人そうに見えるんだと自己分析)
でも、関西弁での外国小説朗読があまり印象的だったので、家で自分も実践してみようとして『サルガッソーの広い海』第3部を読んだら、これがめっちゃむずかしくって、文節ごとに混乱して一個もできひんかった。
家人にネイティブチェックを受けると微妙に違っていて、全部バツ
要は関西弁特有の語彙や助詞がまったくないところで、イントネーションだけに頼って関西弁にすることのむずかしさなのだな。
ハードル高いけど、これはぜひできるようになってみたい。