読書週間

多田治著『沖縄イメージを旅する――柳田國男から移住ブームまで』を面白く読む。
観光と知、ツーリズムとアカデミズムが結びついているって、まったくその通りで本当にいやなんだよなあ、我ながら。
といって興味のあるすべての土地に永住できるわけではないし、どうしたってまた旅に出てしまう。
そこであえて、自分も含めたツーリストを批判的に眺めるのでなく、方法としてのツーリストという立場を選び、そこからの視線を許容する。
そういうのはありかもしれない。

そして岡本太郎の『沖縄文化論』。
沖縄を論じながら日本文化論を論じたいのだとか、日本の辺境に強く惹かれるとかいう初めの方の文章を読むと、ああ結局この人もヤマトゥンチュの「南島イデオロギー」かと思いそうになるが、先を進めばそういう次元ではなく面白い。
「ここには物として抵抗してくる文化がない」と感じていた岡本が、日常の中の叫びとしての歌を発見し納得する「八重山の悲歌」の章など、本当に面白い。
やまとと違って、琉球の詩は韻を踏むことが多いというのも知らずにいたので、へえと思った。

さすが岡本太郎だなと思っていたら、偶然のように縄文式土器についての仏文翻訳を頼まれた。

他にも10冊ぐらい読む。