関係の動物

授業でコメントを書いてもらうと見事に男女差がある。
同じカリブの小説を読んでも、女子の関心はレイプされた母親と娘の葛藤に特化する。
男子は音楽のことや言語のことや政治のこと。
別の大学でマヤ・デレンヴードゥーのフィルムを見せたら、女子は全員が全員、いけにえのヤギや鶏に感情移入した上でコメントしていた。
その女子たちといつもペチャクチャ話しながら溶け合っている草食系風男子は、しかしアフリカの音楽について書いていた。

ふたつの大学の女子学生はまったく違う雰囲気なのだが、にもかかわらず女子というのはひとしく関係の動物なのだとつくづく実感。
かくいう自分だってデフォルト状態ではそうだ。
だが教師的には、母娘の話題は軽く触れるにとどめて、音楽や言語の話題を取り上げ広げたいのである。

…つまり教師になるって男性化するっていうこと?

それはそれで自分によくよく問いかけたほうがいい事柄である。

じっさいは綱渡りの講義に必死すぎ、そんな余裕今のところない。