あけまして、よろしくお願いします

新年、目が覚めたら熱が出ていた。
初夢は1月2日の夜見る夢といわれているので、毎年覚えていようと思うが、日がな一日寝ている元旦の初夢とは、いったいどのタイミングで見たものなのだろうか。
体調が悪い時のつねでいずれにせよ悪夢だったが、知人、有名人が多人数入れ替わり立ち替わり夢枕に立つ。

そして喪中の時、新年の挨拶は何といったらいいのだろう。
うっかり「あけましておめでとうございます」といってしまってから、「おっと」と思う。
中国では「恋愛界の毛沢東」とまでいわれているわりにはその辺のサラリーマンのオヤジがいうようなことしか書かない渡辺淳一が、喪中はがきなどというものは形骸化していて無意味であると書いていた。
こちらは喪には服する主義、というのも変だけれど心持ちでいるのに適当なことをいうな、と反応してつい続きを読む。
全体としてはあまり感じるものはない文章ながら、喪中はがきを出す一方で、飲んだり食べたりカラオケで歌ってまでいる輩がいるではないかという行だけは、まさに身に覚えがあることなのでギクッとする。
確かにそうでした…
それでも心の中では喪に服しているのである。
大好きな寅のモチーフを使えないことだけが、ちょっと寂しい。

図書館で偶然見つけてとうに貸出期限を過ぎている中村和恵『キミハドコニイルノ』を寝床で読む。
オーストラリアや大塚や大阪南部やカリブについて、まさに滋味ゆたかな文章でつづられたエッセイで、共通の経験や気が合うこと多く、読んでいて心地いい。
私もエッセイたくさん書きたくなったなあ。

年始めの仕事として、Kくんからもらった英語圏カリブ海文献リストのうち未読のものをアマゾンで猛然と注文する。