清野とおる『東京都北区赤羽』

アカバネーズとしては当然押さえておかねばならない作品。
その第二巻に赤羽自動車学校が登場する。

蘇るのはそこへ通ったひどく暗い日々、どぶに捨てた30万円…。
なぜ30万円もかかったかというと、いろいろ前へ進まず半年も通ったからである。
最後に自治体で受ける認定試験にまで落ちたのは、私と数人のヤンキーだけだった。

数年前、このさびれた自動車学校がついに閉鎖され、その敷地での掘削中に火柱が噴き上がる大火災が起きてテレビで実況されたのを、不覚にも知らないでいた。

あそこまで沈滞した場所でそんなドラマが起きていたとは。
いや、ドラマが起きるほどにとことん沈滞した場所ともいえた。

この漫画の舞台はつねに赤羽駅の東側。
西側をテリトリーとする私には、あまり馴染みのない場所だ。
どちらの側にしても、赤羽はすごい。
東京とは思えない場所、地方にはありえない場所、日本のどこにもないような小宇宙だと思う。

この本の第1巻は本厚木で、第2巻は江戸川橋で買った。
ずいぶん長く赤羽に行っていない。

東京都北区赤羽 2 (GAコミックススペシャル)

東京都北区赤羽 2 (GAコミックススペシャル)