名がはこぶ精髄、NHK杯他

三人同時に本を出した方々の姓名を見ていて、三人が三人ともまるで本の著者のような名をもっており、だから長じて本当に本の著者になったのだなと思った。
名が人を作る。

そう思っていたら、女子大生の切られた首が見つかったとのニュース。
縁のある町――訪れたことはないが、よくメールをやり取りする向こう側のパソコンがある場所――で、自分と同じ名をもった誰かに起こったことなだけに、つね以上に胸が悪くなる。

名が人を作るように、夢も人の気分を作っているのではないかと思っている。

ここ最近、また悪夢をよく見るようになった。
物語内容がひどいというのではなく、どんな設定だろうが、夢の中の自分はつねに出口がなくつらく苦しいのである。
目覚めると喰いしばった歯が痛かったり、首の筋が凝りすぎて痛かったりする。
歯が痛いから悪夢を見たのでなく、悪夢だから歯が痛くなったのだ。

そして気づいたのだが、以前は基本的に悪夢しか見なかったのがここ1,2年あまり見ておらず、そのせいで現実の自分もすっかり明るい気分と性格でいられたということだ。
これは決して逆の因果関係ではない。

若い友人で本物の犬の鳴き声が出せる人がいる。
私も密かに練習してみたが、とてもできるものではない。
猫の鳴きまねでは、成猫には無視されるが、子猫は応えて鳴いてくれる。
こちらがうまいというより、子猫は修行が足りず、簡単にだまされてしまうということだと思う。

うっかりフィギュアNHK杯男子のフリープログラムを見逃した。
が、さきほどさっそくYoutubeにアップされていたので見ることができた。
すごい世の中だ。

高橋大輔、完璧にはほど遠いが、演技を見ていてゾメくのはこの人だけである。
あのステップを見ていると喜びを感じる。
織田信成の膝のやわらかい優雅なスケーティングがすばらしいと思っても、やはりぞわっと来るものが違う。